2004 Fiscal Year Annual Research Report
古墳や洞窟遺跡の保存に関する研究-水の影響とその対策-
Project/Area Number |
16300289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
石崎 武志 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 部長 (80212877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 千絵 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部・生物科学研究室, 室長 (40215885)
木川 りか 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (40261119)
登尾 浩助 岩手大学, 農学部, 助教授 (60311544)
武田 一夫 帯広畜産大学, 畜産科学科, 教授 (80374768)
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Keywords | 古墳 / 洞窟遺跡 / 保存対策 / 水分分布 / 気象観測 / 微生物成魚 |
Research Abstract |
本研究においては、古墳や洞窟遺跡周辺地盤中の水分状況を適切に把握し、今後の水分状況の推移を予測し、適切な保存対策手法の確立を目的として研究を進めていく。 本年度は、九州、福岡県桂川町の王塚古墳、熊本県菊池川流域の江田船山古墳、塚坊主古墳、岩原古墳、チブサン古墳、オブサン古墳などの装飾古墳の環境調査を行った。王塚古墳では、石室内部、石室外部の温湿度を継続的に測定した。現地調査では、遺跡表面での結露の発生状況、カビの発生状況とその季節との関係などについて、現地の担当者から聞き取り調査を行った。 高松塚古墳の保存に関しては、高松塚古墳墳丘部分の含水率の測定、降水量など微気象観測などを継続的に行った。石室内の温湿度変化に対する環境条件の影響に関しては、同じ大きさの石室モデルを用いて室内実験を行った。また、現地の測定から、遮水シート設置前の竹林の状態、遮水シート設置後、覆い屋設置後の墳丘部分の温度、体積含水率の変化に関する比較を行った。 関連調査として、鹿児島県上野原縄文の森の土層断面展示に関して、湿度変動と土層断面の部分的な収縮変位に関して調査を行った。この土層断面の部分的な収縮は、土層内の水分が移動することにより起こるもので、古墳の墳丘部分の水分移動に関するものと、解析手法は共通である。 本年度は、現地調査を中心に研究を行った。次年度からは、墳丘部分の水分特性の測定、墳丘内の水分移動に関するシミュレーションなどを中心に研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)