2004 Fiscal Year Annual Research Report
雪氷中の微生物活動を利用したアイスコア解析による古環境復元に関する研究
Project/Area Number |
16310004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
幸島 司郎 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (60183802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛田 一成 京都府立大学, 農学部, 助教授 (50183017)
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (90235739)
吉村 義隆 玉川大学, 農学部, 助教授 (90384718)
竹内 望 総合地球環境学研究所, 助手 (30353452)
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Keywords | アイスコア / 微生物 / 氷河 / 古環境 / 藻類 / バクテリア / 遺伝子解析 / 雪氷 |
Research Abstract |
1.雪氷中の微生物分析法の改良 遺伝子分析によって雪氷中のバクテリアとシアノバクテリアの群集を解析することを目的に、北アルプス内臓助雪渓、アラスカのグルカナ氷河、および中国チーレン山脈のチーイー氷河試料中からDNAを抽出し、16SrRNA遺伝子解析による種の同定と、TGGE法による網羅的細菌集団解析を行った(牛田、幸島)。その結果、シアノバクテリアが地域性の高い分布を示すこと、氷河高度によりバクテリア群集構造が変化することなど、興味深い結果が得られつつある。 2.雪氷微生物を利用したアイスコア解析法の検討 雪氷微生物を利用したアイスコア解析法を改良するために、2002年にロシア・アルタイ山脈のベルーハ氷河で採取した20mコアを対象に、従来行われてきた雪氷藻類の解析だけでなく、可能な限り多くの生物起源物質の解析を行った(幸島,竹内)。その結果、このアイスコアには雪氷藻類の他、バクテリアや菌類も含まれていることが明らかになった。また、表面積雪中の微生物分布を詳細に分析した結果、この地域ではコア中に雪氷藻類のバイオマスピークが一年に複数できること、そのうち最大のものが夏層のマーカーとなること、さらに微生物の種類やサイズによって、堆積後の分解や融解水による流出の強度が異なることなど、貴重な情報が得られた。 3.地域比較のための雪氷微生物試料収集 中国のチーレン山脈の氷河(竹内)や米国アラスカ州のランゲル氷河(白岩)でアイスコア及び雪氷微生物試料を採取した。また、これまで全く情報がなかったアフリカの氷河、ウガンダのルーエンゾリ山群の氷河において雪氷微生物試料を採取した(幸島)。これらの試料に関しては現在まだ分析途中であるが(幸島、白岩、竹内、牛田、吉村)、既に全てのサンプルから雪氷微生物が確認されており、興味深い結果が得られつつある。 また、本研究の結果の一部をサンフランシスコで行われた国際学会で報告した(幸島、吉村、竹内)。
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Research Products
(7 results)