2006 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの気候変動の特徴と地球規模気候変動との同期
Project/Area Number |
16310008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北川 浩之 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (00234245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 英一郎 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 教授 (50133129)
松崎 浩之 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (60313194)
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Keywords | アジア / 気候変動 / 環境変動 / 同位体 / 編年 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地球規模・アジア・東アジアの3つの異なるスケールにおいて、気候変動の同時進行性及び地域差について検証することである。気候変動に関する十分なデータセットが得られていない陸域の気候変動復元の新たな方法の確立、海洋試料と陸域試料から得られた気候変動復元の年代編年の違いを最少化することもあわせて行った。 最終年度は、気候変動指標として有効と考えられる湖沼堆積物に含まれる珪藻化石のケイ素・酸素同位体分析に必要な装置の考案・開発、堆積物からの珪藻化石の抽出法の確立、湖沼堆積物のセルロース成分の同位体からの湖水変動の推定、堆積物の高精度年代編年に有効な加速器質量分析法による炭素14年代測定・^<10>Be測定の効率化、海洋と陸域試料の炭素14年代差の検討、炭素14年代の南北差の検討(Kitagawa et al.,2004)、高精度年縞堆積物の編年法の確立に関する研究(米国カルフォルニア大学と共同研究)を行った。 珪藻化石の同位体分析法の確立に関しては、従来のバッチ法及び二酸化炭索レーザーを使ったレーザーアブレーション払の装置の設計・開発を行い、現在、再現性や最適条件の決定を現在進めた。また同時に、従来法と異なる視点で、K3NiF7を使った新たな珪藻化石の同位体分析法についても検討した。加速器質量分析法による14年代測定及び^<10>Be測定に必要な試料処理の効率化の検討に関しては、既存の装置を改良することで、微量試料においても確実な試料調整が可能となり、過去1万年間の試料に関しては0.2%(年代に関して20年以下)の精度で測定が可能となった。また、湖沼堆積物のセルロース成分の安定炭素同位体及び炭素14濃度決定法を確立した。 これらの研究開発を東アジア地域の陸域から得られた試料に応用し、地球規模・アジア・東アジアの気候変動の違い、東アジアの気候変動の特徴に関して有効な情報が得られた。特に、Nakagawa et al.(2006)で報告した、大西洋地域と太平洋地域の最終氷期から間氷期への気候変動パターンの適いは、新たな発見である。
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Research Products
(6 results)