2004 Fiscal Year Annual Research Report
海洋CO_2変動の定量化技術の高度化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16310018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
石井 雅男 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究官 (70354553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 久幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60344496)
斉藤 秀 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究官 (80354554)
時枝 隆之 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究官 (90354555)
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Keywords | 全アルカリ度 / 六フッ化硫黄 / 化学トレーサー |
Research Abstract |
1.海水中の炭酸系パラメーターのひとつであり、海洋表層の海水流動に関する化学トレーサーとしての利用も期待できる海水の全アルカリ度を、簡便に1/1000(約2μmol/kg)の高精度で分析するための自動海水処理装置を設計し、製作した。分析には、既存の電位差滴定法に加えて、分光光度法を応用した新しい手法を取り入れた。装置の設計と製作には、研究代表者らが有する海水中の全炭酸濃度やpHの高精度測定のノウハウを活かした。この装置に付属する測容器類の精密な検定作業を進めながら、過去に西部北太平洋で観測された全アルカリ度の分布を調査し、想定される全アルカリ度の範囲とこの装置を用いたそれらの理論滴定曲線および最適な測定pH範囲を評価して、短時間に目的のpH範囲まで海水に塩酸を滴下するための分析アルゴリズムを作成するなど、最適な動作プログラムの開発・改良を進めた。 2.海水流動や大気-海洋間の気体交換の化学トレーサーとして利用可能な海水中の溶存六フッ化硫黄(SF_6)濃度を分析する装置を設計し、製作した。大気から海洋に溶入したバックグラウンドの濃度レベル(10^<-18>mol/kg)の溶存SF_6を分析可能とするため、設計に当たっては、研究分担者が持つ海水中の溶存クロロフルオロカーボン類(CFCs)分析のノウハウを活かし、分析時に装置からの試料汚染を最大限に排除できるよう使用器材を選定した。また船上にて連続分析を行うためできる限り自動化した。同時に、試料の採取から分析に供されるまでの海水試料への汚染や試料からの脱ガスを防ぐために、専用の採水ボトルを設計し、製作した。このボトルにより将来的にはSF_6やCFCsを含む多種の溶存気体の同時分析が可能となる。
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Research Products
(3 results)