2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16310026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡村 秀雄 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (90253020)
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Keywords | 防汚剤 / 水環境 / 生態系影響 / 底生生物 / 底生藻類 / 化学分析 / 粒径分布 / 毒性 |
Research Abstract |
1.防汚剤の分析法の開発 底質中に残留する防汚剤の動態を明らかにすることは、環境内運命を知る上で重要であるが、多くの防汚剤の分析法は十分に確立していない。イオンペア試薬を用いたセミミクロHPLCシステムにより、防汚剤Triphenylborane pyridineの残留分析法の開発を試みた。現状では、検量線の定量性および実海水からの回収率が共に十分ではなく、さらに検討が必要である。 2.船底塗料廃棄物に含まれる防汚剤の海水への溶出 船底塗料廃棄物は修繕ドックから近傍の海域へと移行し、底質に入り込む。防汚剤の種類及び濃度が既知の船底塗料廃棄物を用いて数ヶ月間の静置溶出実験を行った。バイオアッセイにより海水の毒性を経時的に評価したところ、ごく初期に毒性が上昇し、その後は一定の毒性強度を保った。その毒性の強い海水試料を固相樹脂を通過させたところ、毒性がなくなったので、海水に溶出した防汚剤はODS樹脂に吸着される有機化学物質であることが示された。 3.底質の毒性評価のためのバイオアッセイの開発 瀬戸内海港湾部において採取した底質に代替防汚剤イルガロールを3段階濃度でスパイクし、冷暗所に1年間以上静置した。この人工汚染底質の毒性を海産微細珪藻Skeletonema costatumを用いたバイオアッセイにより評価した。藻類に対する毒性はイルガロールの添加量に応じて変化したことから、イルガロールは底質に強固に吸着することなく、溶存状態で存在すると考えられ、定量的な結果が得られた。
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Research Products
(1 results)