2004 Fiscal Year Annual Research Report
大気中フミン様物質の有害有機化学物質と重金属イオンの大気圏動態に及ぼす影響評価
Project/Area Number |
16310029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Technology |
Principal Investigator |
大河内 博 東京都立科学技術大学, 工学部, 助教授 (00241117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 宏 東京農工大学, 農学部, 教授 (60106226)
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Keywords | 有害有機大気汚染物質 / 重金属 / 大気中フミン様物質 / 降水 / エアロゾル / 固相マイクロ抽出 / 揮発性有機化合物 / 多環芳香族炭化水素 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の初年度にあたることから,観測地点の選定と整備,採取装置の選定と作製,分手法の検討を行おこなった.実試料採取は2004年7月から東京都立科技大学(日野市)4階建て屋上で開始した.大気エアロゾルおよび大気中VOCsは毎月3日間連続の24時間毎の採取を行い,晴天時には露水の採取を,雨天時には雨水の採取をそれぞれイベント毎に行った.これらの経時採取とは別に不定期に大気と雨水あるいは露水を可能なかぎり同時採取した.また,夏季には科技大での採取と同期させて東京農工大学FM多摩丘陵でエアロゾルを同時採取した.以下に主な研究成果を示す. 1)大気エアロゾルおよび降水中の界面活性物質の探索と特性評価 2004年7月から2005年1月までに雨水39試料,露水38試料が得られた.降水試料はpH,EC,主要無機イオン,溶存有機炭素(DOC),表面張力の測定を行った.雨水,露水のpHはそれぞれ4.27-5.80,5.75-7.16であり,雨水より露水で高く,総主要無機イオン濃度も露水の数倍高かった。DOC濃度は雨水で0.32-2.46mg/L,露水で0.90-28.5mg/Lであり,溶存有機炭素濃度も露水で高かった.一方,雨水の表面張力は66.9-72.7mN/mであり,露水に比べて(67.3-70.7mN/m)表面張力の分布が広いことがわかった.現在,エアロゾルおよび降水中の界面活性物質濃度の測定法の検討を行っている. 2)大気中フミン様物質のキャラクタリゼーションと特性評価 大気中VOCsの降水中への濃縮機構を解明することは本研究の目的の一つであるが,降水中VOCsの定量にヘッドスペース固相マイクロ抽出/GCMS(HSSPME/GCMS)法を適用して最適条件の検討を行った.その結果,HSSPME/GCMS法は降水中VOCsの分析に適用可能であることが明らかになり,雨水およびう露水中VOCsの定量を行った.雨水,露水ともにトルエンが主要なVOCsであり,雨水中濃度は都市部の横浜と同程度に高いことがわかった.この研究成果は現在論文執筆中である.現在,降水中フミン様物質の定量を行い,大気中VOCsの濃縮とフミン様物質との関係について検討を行っている.
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