2006 Fiscal Year Annual Research Report
大気中フミン様物質の有害有機化学物質と重金属イオンの大気圏動態に及ぼす影響評価
Project/Area Number |
16310029
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大河内 博 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (00241117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 宏 早稲田大学, 農学部, 教授 (60106226)
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Keywords | 有害有機大気汚染物質 / 大気中フミン様物質 / 降水 / エアロゾル / 揮発性有機化合物 / 多環芳香族炭化水素 / 固相マイクロ抽出 / 富士山 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の最終年度にあたるので,これまでの問題点を整理するとともに,新たに粒子状多環芳香族炭化水素(PAHs)の観測を行った.なお,研究代表者が首都大学東京から早稲田大学に異動したので,主に早稲田大学大久保キャンパス(新宿)で降水,エアロゾル,大気中揮発性有機化合物(VOCs)の採取を行うとともに,東京農工大FM多摩丘陵でも観測を行った.また,富士山頂(3776m),富士山麓(太郎坊避難小屋1300mおよび名古屋大学太陽研1000m)で2006年7月24日から28日まで大気中VOCsおよびPAHsの集中観測を行った.大気中VOCsは捕集管から吸着剤を掻き出し,CS2で抽出してGCMSで定量し,PAHsは蛍光検出器付きHPLCで定量した.降水中VOCsおよびナフタレン類は本研究で確立したHS SPME-GCMS法で定量した.以下に,本年度得られた結果の概要を示す. 1)大気エアロゾルおよび降水中界面活性物質の探索と特性評価 降水中フミン様物質(HULIS)の界面活性特性について検討した.新宿で採取した雨水,露水および富士山で採取した霧水中HULIS濃度と表面張力との間には明瞭な関係はみられなかった. 2)大気中フミン様物質のキャラクタリゼーション 霧水中VOCsの濃縮率は,富士山頂に比べて山麓で高いことが分かった.山頂に比べて山麓ではHULIS濃度が30倍以上高濃度であることから,HUUSが霧水VOCsの濃縮率に関与しているものと推測された, 3)大気中フミン様物質の大気液相化学反応に及ぼす影響評価 水中VOCsのフミン様物質の増感光分解による大気消失機構について,試薬フミン酸を精製して屋外太陽光照射により検討した.物質によってバラツキが大きいが,昨年度と同様にナフタレン類で分解が促進する可能が示された.
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Research Products
(3 results)