2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンホメーション変化センシング抗体法による環境化学物質の核内受容体のリスク評価
Project/Area Number |
16310044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
下東 康幸 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00211293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野瀬 健 九州大学, 理学研究院, 助教授 (10301334)
下東 美樹 福岡大学, 理学部, 助手 (60078590)
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Keywords | 環境ホルモン / 内分泌撹乱化学物質 / 核内受容体 / ビスフェノールA / リスク評価 / センシング抗体 / コンホメーション変化 / 低用量問題 |
Research Abstract |
(1)核内受容体のcDNAクローニングおよび受容体タンパク質の発現 平成16年度に引き続き、核内受容体についてcDNAクローニングを実施した。クローニングしたこれら受容体のリガンド結合ドメイン(LBD)についてGST融合タンパク質として大腸菌を用いて発現した。特に、ERR系オーファン受容体についてはアッセイに大量に供する必要がでてきたため、量的な調製を実施した。 (2)リガンド未知の核内受容体の結合化学物質の探索 本年度、「ERR系オーファン受容体のγサブライプ(ERRγ)にビスフェノールAが非常に強く結合する」という、予想外の発見に至った。このため、当初の計画を前倒して詳細な解析を実施した。 ビスフェノールAは非常に低い濃度でもさまざまな影響を内分泌系、神経系で及ぼす、所謂「低用量問題」の論議の中心にある化学物質である。我々は、ビスフェノールAが反応する核内受容体は女性ホルモン受容体ERではなく、他に存在するという仮説に基づいて検索していたが、ERRγがその受容体であることを見出した。飽和結合試験、競合結合試験、レポーター遺伝子アッセイ、Two-hybridアッセイ、ドッキングモデリングなどを実施し、受容体結合性、ホルモン活性について検討した。その結果、ビスフェノールAはERRγの高い基盤活性を保持させることが判明した。 (3)核内受容体に対するコンホメーション変化センシング抗体の作製とセンシングアッセイ リガンドが既知の核内受容体およびリガンドが未知のオーファン受容体15種類について、ポリクローナル抗体の作製を実施した。特に、ERRγ受容体についてはセンシングアッセイを実施したが、抗原ペプチドを認識するものの、その基盤活性が原因しているためか、受容体を認識しない新規な現象が判明した。
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Research Products
(4 results)