2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス廃棄物添加低品位石炭クリーン燃料化とその燃焼灰の土壌改良材としての評価
Project/Area Number |
16310050
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
坂本 和彦 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授 (20111411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門野 博史 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (70204518)
王 青躍 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (30344956)
三輪 誠 埼玉県環境科学国際センター, 研究員 (30375589)
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Keywords | 硫黄酸化物 / 酸性土壌 / 土壌改良 / 堆肥 / 肥料効果 / 植物生長 / 光学的統計干渉法 / 燃焼灰 |
Research Abstract |
(1)バイオブリケット(BB)燃焼灰と有機堆肥の同時施用による大型グロースチャンバー植物生長実験:BB燃焼灰と豚糞尿堆肥の同時施用による二十日大根の成長試験を行った。その結果、この同時施用では、燃焼灰と化成肥料の同時施用と同程度の生育が観測された。 (2)レーザースペックル干渉法応用の植物成長率の測定:二十日大根の栽培に先立って、統計干渉法によりアカマツ実生苗に外性菌根菌を感染させた実生苗と非感染実生苗について、ナノメーターレベルでの根の成長部を計測、比較した。その結果、感染苗の方が非感染のものより、速い成長速度が得られ、統計干渉法の有効性が示唆された。 (3)長期栽培後の作物収穫物中金属含有量の解析・評価:大型グロースチャンバーを用いて二十日大根栽培試験後の収穫物中金属含有量を比較した。その結果、BB燃焼灰と豚糞尿堆肥を同時施用した場合は、BB燃焼灰と化成肥料を同時施用した場合に比較して、重金属含有量が低く、堆肥の持つキレート作用により燃焼灰由来のAl吸収の著しい抑制が示唆された。 (4)長期栽培による燃焼灰と有機堆肥の同時施用による収量評価:燃焼灰と豚糞尿堆肥の同時施用においても、BB燃焼灰と化成肥料の同時施用と同程度の二十日大根が収穫できた。 (5)低品位石炭のBB化とその燃焼灰・有機堆肥の同時施用による環境改善効果の総合評価:BB燃焼灰と堆肥由来の重金属汚染も、燃焼灰による土壌pH矯正と堆肥のキレート作用によって抑制され、燃焼灰と堆肥の同時施用による有効性を明確に示すことができた。低品位石炭のエネルギー源としての利用により土壌が酸性化しつつある発展途上国において、民生燃料としてBBを用いた場合、大気汚染対策、燃焼灰と家畜糞尿堆肥の同時施用により酸性土壌のpH矯正と栄養塩供給、高い商品価値の農産物の生産、BBによる総合環境保全対策の実行可能性が示唆された。 (6)研究結果のまとめ:上記の研究成果をまとめ、今後、普及策策を検討して行くこととした。
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Research Products
(2 results)