2004 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界水酸化法を用いた医療廃棄物の新規無害化処理システムの開発
Project/Area Number |
16310051
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 義人 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (70213709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 和夫 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
刈間 理介 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (50281308)
鈴木 良實 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (40163026)
|
Keywords | 医療廃棄物 / 超臨界水酸化 / 感染性物質 / 同時分解 / オンサイト処理 / 完全無害化 / プラスチック / リスク削減 |
Research Abstract |
本研究では、新しい廃棄物処理技術として注目される超臨界水酸化反応を利用し、医療廃棄物の感染性を完全に除去しつつ、感染性物質の付着が懸念されるプラスチック製の容器や注射筒などの器具も同時に完全酸化分解して原型を残さないことを特徴とする、オンサイト型の新しい医療廃棄物処理システムの開発を目的としている。本年度得られた研究成果は以下の通り。 (1)医療器具に多く用いられるポリプロピレンについて、超臨界水酸化反応によるポリプロピレン分解率の各種反応条件(温度、圧力、酸素濃度など)依存性を、小型回分式反応器を用いて実験的に調べた。その結果、450℃、25MPaの条件では15分程度の時間で完全に酸化分解することを明らかにした。 (2) (1)のサンプルについて、可視化セルを用いた実験を行い、プラスチックの融解、水への溶解、酸化分解の各過程と反応条件との関係を、直接観察により明らかにした。 (3)感染性物質のモデルとして大腸菌を用い、超臨界水酸化反応条件において、菌が完全に死滅することを実験的に確認した。また、過酸化水素共存時のみ液が黄色く着色したことから、大腸菌由来の何らかの物質が過酸化水素と相互作用を有し、反応に関与している可能性が示唆された。 (4)実装置へのスケールアップをはかるべく、上記の小型回分式装置を用いた実験結果をふまえ、回分式澡作と流通式(半回分式)の両方を切り替えて行える反応装置(内容積500cc)を設計、製作した。
|