2005 Fiscal Year Annual Research Report
吸着オゾンを用いた新規高度浄排水処理プロセスの実用化に向けた研究
Project/Area Number |
16310052
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
迫田 章義 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30170658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下ヶ橋 雅樹 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20334360)
秋葉 道宏 国立保健医療科学院, 水道工学部, 主任研究官 (00159336)
泉 順 (財)産業創造研究所, 柏研究所, 化学部部長(研究職) (40415865)
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Keywords | オゾン / 吸着 / ゼオライト / 浄水処理 |
Research Abstract |
表題にある吸着オゾンプロセスの実用化に向けて、実際の水道原水を用いた長期連続運転を通じて処理能力の持続性や劣化因子の解明ならびにその対策方法の考案を本研究の目的としている。 本年度は、現場での連続通水実験を通じたトリハロメタン前駆物質の低減効果と、オゾン処理にて生成が問題となっており発がん性の疑いのある臭素酸イオン生成抑制効果、ならびにその処理能力の持続性の確認を行った。また、室内実験を通じたトリハロメタン前駆物質の吸着実験や、性能劣化の確認も併せて行った。 現場実験では、室内実験にてトリハロメタン前駆物質の吸着能力が確認されたUSYゼオライトを吸着材として使用した。内径28mmの円筒型ガラスカラムにUSYゼオライト(SiO_2/Al_2O_3比=70)ペレット(長さ1〜3mm、直径2mm)を充填層高12cmで充填した装置を作成し、水道原水及び溶存オゾンを連続的に供給して長時間運転を行った。その結果、カラム出口でトリハロメタン前駆物質が低減しつつ臭素酸イオンの生成が抑制され、同プロセスのトリハロメタン前駆物質処理の可能性が確認された。一方トリハロメタン前駆物質の除去能力は時間の経過とともに劣化する傾向がみられ、水道原水中の有機物の蓄積によるトリハロメタン前駆物質の吸着能力の低下が原因であろうと推測された。 室内実験では、異臭味物質2-メチルイソボルネオール(2-MIB)をモデル化合物として、直径3mmのガラスカラムに粒径420〜590μmのUSY粒子を充填層高10mmとなるように充填し、吸着破過実験を実施した。その結果、水道原水の存在による破過時間の短縮が見られ、水道原水の存在による2-MIBの吸着阻害が確認された。
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