2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリーン化学プロセスを目指したミクロポーラス触媒に関する研究
Project/Area Number |
16310056
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉 義弘 岐阜大学, 工学部, 教授 (90281047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小村 賢一 岐阜大学, 工学部, 助手 (40377685)
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Keywords | 環境調和性 / ゼオライト / 形状選択性 / メソポーラスシリカ / 多価金属塩 / エステル化 / 超臨界CO_2 / フェノールのt-ブチル化 |
Research Abstract |
環境調和型化学プロセスの鍵技術である固体酸塩基触媒の合成とその触媒機能を検討した。以下本年度に得られた主の成果を示す。 1)高級脂肪酸と高級アルコールのエステル合成を試み、各種の多価金属塩が高い触媒活性を有することを見出した。この際、メソポーラスシリカの様な疎水性担体に担持すると触媒活性の改善が見られ、イソステアリン酸の様に立体障害の大きいカルボン酸のエステル化が円滑に進行した。本反応における活性種は、多価金属カチオンの加水分解により生成する多価金属カチオンクラスターであると考えられた。 2)3次元12-10-10構造を有するMCM-68の合成とその触媒活性の検討を行った。ビフェニルのイソプロピル化においては、4,4'-ジイソプロピルビフェニルが高い選択率で生成した。三次元ゼオライトでは初めての例である。これは、10員環にはビフェニルの接近が困難であること、結晶内に存在するケージに10員環経由でないと接近出来ないことに基づくものであり、12員環チャンネルは事実上ストレート構造であることを示している。 3)ゼオライトとメソポーラスシリカを触媒とするフェノールのt-ブチル化を超臨界CO_2溶媒中で行ったところ、HY-ゼオライトでは、2,4-ジ-t-ブチルフェノール(2,4-DTBP)を最高60%の収率で得られた。一方、メソポーラスシリカに担持したSc(OTf)_3を用いた触媒では、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール(2,4,6-TTBP)が収率40-45%で得られた。この際、有機溶媒中もしくは無溶媒で行った際よりも高い収率で目的生成物が生成することがわかった。これらの高い収率は、これまで報告されてきた気相あるいは液相に比べてコーク生成が少ないことに基づくと考えられた。
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