2004 Fiscal Year Annual Research Report
部分亜硝酸化とAnammoxの組み合わせによる新規窒素除去プロセスの開発
Project/Area Number |
16310061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
古川 憲治 熊本大学, 工学部, 教授 (60029296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 保徳 熊本大学, 工学部, 助教授 (00291211)
藤井 隆夫 崇城大学, 工学部, 教授 (80165331)
杉野 浩幸 崇城大学, 工学部, 助教授 (90258434)
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Keywords | 嫌気性アンモニア酸化 / Anammox / 部分亜硝酸化 / 窒素除去 / 不織布 / 付着固定化 / Anammox菌 / アンモニア酸化細菌 |
Research Abstract |
1995年にデルフト工科大学から報告された嫌気性アンモニア酸化(Anammox)を排水処理に活用できれば、これまでの硝化-脱窒を組み合わせた窒素除去法に比べて、酸素供給量を半分以下に削減できるほか、脱窒時に外部から炭素源を補填する必要がないので、経済的な窒素除去法の開発につながる。不織布を充填した上向流カラムリアクタを使ってAnammoxの集積培養に日本で始めて成功し、現在50Lの大型リアクタまでスケールアップに成功している。Anammoxをアンモニア含有排水の処理に活用するには、Anammoxに先立ってアンモニアの半量を亜硝酸に部分亜硝酸化する必要がある。この部分亜硝酸化を、新規なアクリル繊維性の微生物担体を充填したリアクタで検討し、部分亜硝酸化の条件を実験的に決定した。その結果、NH_4-N容積負荷量を0.5kg/m^3/dの条件下で、処理温度を35℃、反応槽内のpHを7.5-7.7、反応槽内のDO濃度を2-3mg/Lに維持することで、部分亜硝酸化処理を達成できることを認めた。この部分亜硝酸化処理の長期安定性を試験する中で、処理水のNH_4-N、NO_2-Nが同時に除去され、担体に付着固定化した硝化汚泥が赤く変色することを発見した。この変色した汚泥中にAnammox菌の存在することを、分子生物学的な手法で確認した。部分亜硝酸化処理を進める中で、付着固定化汚泥の内部がAnammox菌の成育に適した状態となり、一つの槽でアンモニアを窒素ガスに除去されることになった。このプロセスを、Single Stage Nitrogen Removal Using Anammox and Rartial Nitritation (SNAP)と名づけた。 PCR、クローニングで得られたクローン数から、SNAP汚泥中のアンモニア酸化細菌とAnammox菌の存在比を推定した結果、8.7%と15%という結果が得られた。また、SNAP汚泥をFISH法で染色し、共焦点レーザー顕微鏡で観察した結果、SNAP汚泥の表層部にアンモニア酸化細菌が、中心部にAnammoxが存在することを認めた。SNAP法を迅速に立ち上げる方法として、Anammox汚泥を最初に担体に付着固定化し、その後硝化汚泥を付着固定化すると、数週間でSNAP法が立ち上がることを明らかにした。このSNAP法の処理特性を5Lと10Lの二つのリアクタを使って現在連続的に検討している
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Research Products
(4 results)