2004 Fiscal Year Annual Research Report
半導体表面と化学結合した単一有機分子および有機分子配列系の電子物性
Project/Area Number |
16310070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉信 淳 東京大学, 物性研究所, 助教授 (50202403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 良之 東京大学, 物性研究所, 助手 (00302638)
常行 真司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90197749)
赤木 和人 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50313119)
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Keywords | シリコン / 表面 / STM / 光電子分光 / 第一原理計算 / 有機分子 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである. (1)単一分子および配列分子系の電気伝導特性を測定するためのモデル系の探索 Si(100)表面に環化付加反応を用いて,1,4-シクロヘキサジエン,2-ブチン,2-メチルプロペン,酸塩基反応を使って蟻酸,酢酸,メタノール,エタノールを吸着させ,その電子状熊を紫外光電子分光(UPS)と走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて測定した.このうち,1,4-シクロヘキサジエンと2-ブチンについては,単一吸着分子のトンネル分光測定に着手した。 (2)吸着分子のトンネル分光測定を行うための新たなSTMシステムの構築 吉信が中心となり,低温で安定に作動するSTMシステムの構築に着手した.超高真空チェンバーを設計・試作し,低温温度可変型のSTMシステムが導入された. (3)表面配列分子系の電気伝導特性 有機分子が吸着した半導体表面領域の電気伝導特性を測定するために,固体有機物質蒸着源,高融点金属蒸着源を整備した. (4)吸着有機分子の電子状態の理論的解明 シリコン表面に吸着した有機分子の局所状態密度を第一原理計算により解析した. (5)STM像の精密で簡便なシミュレーション手法開発 表面の第一原理計算にもっともよく用いられている平面波基底関数とマッチングの良いSTM探針の波動関数モデルを使って,STM像を簡便かつ精度良く計算する手法の開発に着手した.
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Research Products
(4 results)