2005 Fiscal Year Annual Research Report
光異性化骨格を持つ分子を利用した単一分子の力学的な化学識別とマニピュレーション
Project/Area Number |
16310071
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福井 賢一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60262143)
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Keywords | 分子探針 / 化学種識別 / 走査プローブ顕微鏡 / 化学的相互作用 / マニピュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、針状分子1個を非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)の‘探針'として用いることで高い空間分解能をもち、且つ化学種識別が可能な探針を開発し、相互作用力顕微鏡を実現することである。実効的な探針曲率半径を小さくすることで、長距離力の寄与を減らして化学的相互作用(短距離力)を顕在化し、また‘探針'先端の官能基をデザインすることで相互作用の大きい特定の化学種を画像化できる。本研究では光異性化骨格を持つ分子を用いて、外部からの光照射により‘構造観察用探針'と‘化学相互作用検知用探針'を可逆的に切り替えて同一箇所を観察可能とすることで、高い確度で化学識別能を実証する。 昨年度までに、アダマンタン骨格を中心として自由度の小さい針状分子鎖を足と‘探針'に持つ三脚型で、かつ‘探針'分子鎖の途中に外部からの光照射に応じて構造異性化を起こすアゾベンゼン骨格を導入した分子を設計・合成し、合成した分子を金基板上に吸着させてNC-AFM観察を行い、UV光(360nm)-可視光(450nm)の照射に応じた光異性化に伴い約1nmの高さ変化が可逆的に起こることを実証した。今年度はさらに、その光異性化挙動の詳細を検討するとともに、その分子を金コートしたカンチレバー探針先端に吸着させて、光異性化挙動を調べた。金基板上に吸着させた場合と同様に、UV光(360nm)-可視光(450nm)の照射に応じた探針先端分子の可逆的形状変化を実証し、本分子が光という外部刺激に対して応答する分子探針としての基本的性質を満たすことが分かった。これらの成果は2報の論文として発表し、その論文が他の専門雑誌でも紹介されるなど注目を集めた。
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Research Products
(5 results)