2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子間相互作用を利用したナノ分子集合体構築と光機能発現
Project/Area Number |
16310073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今堀 博 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243261)
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Keywords | ポルフィリン / フラーレン / 電子移動 / 自己組織化 / 太陽電池 / バルクヘテロ接合 / 微粒子 / デンドリマー |
Research Abstract |
有機太陽電池におけるバルクヘテロ接合を考慮すると、ポルフィリン・フラーレン混合膜中で光照射により生成したホールと電子をいかに効率よくそれぞれの電極に輸送・注入するかが重要となる。そこで、研究代表者はポルフィリン分子の空間配置を制御するために、デンドリマー骨格を用いることにした。世代の異なるデンドリマーの末端にポルフィリンを縮合することでポルフィリンを樹上構造末端に持ちデンドリマーが合成できる。ポルフィリンデンドリマーとC_<60>を良溶媒のトルエンに溶解し、これを貧溶媒のアセトニトリル中に急速に注入すると、コロイドが混合溶媒中で自己組織化される。次にこのコロイド溶液に直流電圧を印加し、酸化スズ修飾電導性透明電極上に電気泳動法により析出させた。その結果、電析された酸化スズ修飾電導性透明電極は可視領域の光をほぼ全領域にわたって効率よく吸収することがわかった。この修飾酸化ズズ電導性透明電極を作用極、白金を対極に、電解質溶液にはヨウ素化合物を含むアセトニトリル溶液を用いて、2極系で光電池の特性を評価した結果、ポルフィリン参照化合物とC_<60>混合系に比べて、デンドリマー系では最高10倍のエネルギー変換効率の向上が観測された。一方、光電変換特性に関してはポルフィリンデンドリマーの世代数が増加するにつれ、外部量子収率が低下するという挙動を示した。これはデンドリマーの世代が増加するにつれ、末端のポルフィリンがデンドリマー中で固定され、C_<60>の取り込みが制限されたためと考えられる。そこで、よりポルフィリン間にC_<60>が取り込まれやすいと考えちれるポルフィリン修飾金ナノ微粒子を用いて、同様に光電変換系を構築することを行った。そのエネルギー変換効率は最高で1.5%に達することがわかった。
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Research Products
(7 results)