2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内部探索用カーボンナノチューブAFM技術の研究
Project/Area Number |
16310078
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
徳本 洋志 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (40357562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡嶋 孝治 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70280998)
畔原 宏明 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (00374653)
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Keywords | カーボンナノチューブ(CNT) / CNT-AFM技術 / CNTの化学修飾 / 低侵襲AFM画像技術 / 化学結合力AFM技術 / 単一分子計測 / 透過電子顕微鏡 |
Research Abstract |
今年度は、人工脂質2分子膜の構成分子とカーボンナノチューブ(CNT)側壁との相互作用と分子膜への挿入時の状態を、AFMを用いた精密力計測を通して明らかにし、細胞膜へ挿入し局所弾性および細胞内の特定部位との化学結合力を精密に計測するための要素技術の研究を行った。細胞膜として人工脂質2分子膜を取り上げ、収束イオンビーム加工(FIB)技術を使ってシリコン基板に直径1μm程度の穴を空け、人工脂質2分子膜を張りAFM実験を行った。形状測定から穴の部分に2分子膜が張られていること、力計測結果から2分子膜がたわむと同時に探針形状に沿って変形する(伸張とともに構成分子が補給される結果)とともに部分的に探針が膜を貫通していることが確認できた。しかし再現性には乏しく、アスペクト比の大きなCNT探針を用いることが必須であることが分った。 化学結合力AFM技術では、モデル試料と考えた金基板上のDNA塩基分子の自己組織化膜おいて予期しなかったトラブル(マイカ基板上への金蒸着において、ナノスケールのコンタミが異常に付着)があり、その解決に多くの時間(この1年では)を割いた。幸いにもこのトラブルを解決でき、チオール化したオクタンチオール分子をAu(111)基板上に自己組織化的に一層だけ並べ、XPSやAFM技術を用いて予定通りアセンブルしていることを確認し、現在、探針側にも相補的DNA分子を付着させ、化学力(分子認識)AFM技術を用いてその空間分解能の極限化、計測力の極限化を行っている。 低侵襲AFM技術の開発では、昨年度に溶液中で数ピコニュートン以下の力の下で外部形状を観察するための自励発振型の非接触AFM装置の開発に目処を付け、今年度は、溶液中において生細胞の機能解明に繋がる情報を得るためAFM探針が感じるノイズを計測するとともにそのノイズから動的挙動を引き出す手法を開発し、新手法として提案した。
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Research Products
(3 results)