2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ磁性材料におけるスピン構造とそのダイナミクスに関する理論研究
Project/Area Number |
16310081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白井 正文 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (70221306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 昭正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30361124)
山上 浩志 京都産業大学, 理学部, 教授 (20239867)
中村 浩次 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70281847)
小田 竜樹 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (30272941)
小野 寛太 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (70282572)
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Keywords | ナノ材料 / スピンエレクトロニクス / スピンダイナミクス / スピン流 / 磁壁 / 第一原理計算 / マイクロ磁気シミュレーション / 放射光電子顕微鏡 |
Research Abstract |
電子のもつ量子的な性質を利用した新機能デバイスの実用化に資するため,ナノメートル領域にまで微細化された磁気材料・デバイスの特性評価に必要とされる理論的基盤を構築することを目的として,平成18年度は以下の研究実績を得た. 1.高スピン偏極ホイスラー合金の強磁性電極と単結晶酸化物絶縁層からなる磁気トンネル接合におけるスピン依存電気伝導を第一原理計算し,電極材料の電子状態とトンネル伝導の関係を明らかにした.(三浦・長尾・白井) 2.磁性体内のスピン緩和機構を微視的に明らかにするために,局在スピンと伝導電子が弱く結合したs-d模型を考えて,局在スピンの局所励起が伝導電子系のStoner励起を通して散逸する過程を記述した.(佐久間) 3.軌道分極の効果を考慮した相対論的スピン分極LAPW法を用いて,アクチナイド(Np化合物)における磁性とフェルミ面の形状を求め,実験結果とよく対応する結果を得た.(山上) 4.ハーフメタル強磁性体を用いた交換バイアス材料を予測するために,結晶成長に伴う正方歪を考慮したCrSe/MnSeおよびCrTe/MnTe界面のスピン構造を解析した.また,Fe単原子層膜におけるノンコリニア磁性を考察した.(中村) 5.スピン軌道相互作用を考慮した第一原理分子動力学計算手法を用いて,Pt(111)表面上に吸着したFe単原子層膜およびFe原子鎖の磁気異方性エネルギーを求め,表面原子構造との相関を明らかにした.(小田) 6.サブナノ秒の時間分解能をもつ時分割顕微鏡を開発し,ナノ磁性材料の磁化反転ダイナミクスを観察した.また,得られた実験結果をマイクロ磁気計算結果と比較して,その機構を解明した.(小野)
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Research Products
(66 results)