2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16310091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高田 寛治 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30102106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝田 信人 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (60319449)
伊藤 由佳子 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (30278444)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 経口DDS / エリスロポエチン / インターフェロン |
Research Abstract |
経口投与時には消化酵素により加水分解される上に、たとえ加水分解を免れても分子量が約3万と大きいため小腸吸収粘膜を透過しにくく吸収されない蛋白薬としてエリスロポエチンEPOを取り上げ、多層カーボンナノチューブCNTに吸収促進剤として用いた3種類の界面活性剤Labrasol、Gelucire44/14およびHCO-60とともに超分子複合体化を行うことにより保持させた。Pentobarbital麻酔下、ラット小腸内にCNTシステムを投与し、その後、経時的に,6時間にわたって頸静脈から血液を採取した。遠心分離後、血清サンプルを得、ELISA法にて血清中EPO濃度を測定した、3種の界面活性剤の中、Labrasolが最も強力な吸収促進効果を示し、最高血清中EPO濃度Cmaxは138±21mIU/mlを示した。なお、対照製剤としてEPO溶液およびLabrasol含有EPO溶液を同様に投与した際のCmaxは14±9および44±16mIU/mlであった。吸収部位としては空腸が十二指腸および回腸よりも優れた吸収性を示した。CNTと同種の炭素系素材であるフラーレン、カーボンナノホーンを用いて比較実験を行ったが、それぞれのCmaxは50±11および19±5mIU/mlとなり、CNTを凌ぐ吸収促進システムとはならなかった。EPOと同様、C型肝炎の経口療法が期待されている蛋白薬であるインターフェロンα(IFN)についてもCNTシステムの応用について検討を行った。EPOと同様、空腸からの吸収率は10.3%を示し、十二指腸・回腸を遥かに凌いだ。加水分解酵素の阻害薬としてCaseinをCNTシステムに添加したところ吸収率は14.1%まで上昇した。EPOおよびIFNの研究を通じてCNTシステムの経口DDSとしての有望性が示された。
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Research Products
(3 results)