2004 Fiscal Year Annual Research Report
π電子系ナノロッドの創製と単一分子発光ダイオードへの展開
Project/Area Number |
16310098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
村田 英幸 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (10345663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土本 晃久 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (80313716)
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Keywords | 水素終端シリコン基板 / アミノ基終端シリコン基板 / 垂直配向単分子膜 |
Research Abstract |
本研究ではπ共役系高分子をエピタキシャル的に気相重合することによって、化学的純度や秩序構造を極限まで高めた新規な共役系高分子の開発を行っている。研究の開始年度である16年度は研究設備の整備と基礎的な検討を実施した.その結果,以下の研究成果が得られた. 1.シリコン基板上に配向構造制御した高分子鎖を形成するために基板表面の化学修飾方法の開発と評価方法. 原子レベルまで平坦化した水素終端したSi(111)を共役系高分子を成長させる基板として用いるためには表面を化学的に活性とする必要がある.そこでシリコン表面の水素をアミノ基(NH_2)へと変換する新規な方法を見いだした.この方法では,水素終端したSi(111)表面の1x1構造を維持したまま表面をアミノ化できるこれまでに無い方法である. 2.化学修飾したシリコン基板上への単分子膜の形成. 共役系ポリマーのひとつであるポリアゾメチンは芳香族ジアミンと芳香族ジアルデヒドとの脱水縮合反応により得られる。そこで作成したアミノ基終端Si基板と芳香族ジアルデヒドモノマー[1,4-bis(4-formylstyryl)benzene]との反応によりシリコン基板上に有機単分子膜を直接化学結合によって固定化することを試みた。単分子膜の作成には溶液反応と蒸着法を用いた.反応後のSi基板はFT-IRスペクトル,超高真空中での非接触法 原子間力顕微鏡(AFM)を用いて分析した.FT-IRスペクトルには1693cm^<-1>と1601cm^<-1>にそれぞれカルボニル基のC=O伸縮およびベンゼン環のC=C伸縮振動に帰属される吸収が確認され、モノマーがSi基板表面に固定化されていることを確認した。真空蒸着法で作成した試料の場合には,ドット状の付着物が基板上に点在していることが分かった。また,その断面プロファイルから各ドットの高さは約2.3nmであることが分かった。用いたモノマーがシリコン基板上のアミノ基と反応し、垂直に配列したと仮定した場合、基板表面から分子の頂点までの長さは約2.2nmである。これらの結果から、蒸着法で作成した試料ではSi基板上にモノマーの単分子膜が形成しており、その配向は基板に対してほぼ垂直であることが示唆された.
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Research Products
(3 results)
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[Book] 有機ELディスプレイ2004
Author(s)
時任静士, 安達千波矢, 村田英幸
Total Pages
163
Publisher
オーム社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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