2005 Fiscal Year Annual Research Report
π電子系ナノロッドの創製と単一分子発光ダイオードへの展開
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16310098
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
村田 英幸 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (10345663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土本 晃久 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (80313716)
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Keywords | ポリアゾメチン / 化学修飾シリコン基板 / 蒸着重合 / 高分子EL素子 |
Research Abstract |
本研究ではπ共役系高分子をエピタキシャル的に気相重合することによって、化学的純度や秩序構造を極限まで高めた新規な共役系高分子の開発を行っている。2年目に当たる17年度は開始年度に得られた研究成果をさらに発展させ新規な共役系高分子材料の開発を検討した。具体的には、共役系高分子において共役連鎖長の拡大を実現するため新しい薄膜作成法の開発と作成した共役系高分子の電子デバイスへの応用展開を試みた。共役系高分子の基本骨格としてポリアゾメチンを取り上げ詳細に検討を行った。その結果、以下の成果が得られた。 原子レベルで平坦なシリコン表面を化学修飾し有機分子を直接化学結合によって結合させる手法を開発した。これは将来、機能性有機材料や生体分子とシリコンデバイスと複合化した無機・有機複合デバイスを作成する際の基盤技術として活用できると考えられる。また化学修飾したシリコン基板上に実際に有機分子を配向した状態で固定化することに成功した。配向制御した有機分子を起点として共役長の長いオリゴマー分子を成長できることを明らかにした。一方、配向した有機分子層を雛形として共役系高分子の成長を試みたところ、共役系の成長はむしろ基板の化学修飾を行わない揚合に進行することが判明した。得られた共役系高分子の平均共役連鎖長は、高分子EL素子の材料として一般的なPPVの共役連鎖長の約2倍の長さであり、本研究で目的とした共役連鎖長の拡大を達成できた。ただし共役系拡大をもたらすメカニズムについては今一歩迫りきれていない。重要な課題として今後も研究を継続したい。作成した共役系高分子を用いて高分子EL素子を作成したところ、ポリアゾメチン自身からのEL発光を始めて観測することができた。ITO基板上の化学修飾がEL素子の特性に及ぼす影響を検討し分極した有機分子を用いた表面処理が高分子層への正孔注入効率を高めることが分かった。
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Research Products
(3 results)