2005 Fiscal Year Annual Research Report
大規模離散最適化問題の劣モジュラ的構造に基づく解析と高速アルゴリズム開発
Project/Area Number |
16310111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤重 悟 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10092321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 明久 慶応大学, 理工学部, 教授 (50217189)
牧野 和久 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教授 (60294162)
平井 広志 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (20378962)
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Keywords | 離散最適化 / アルゴリズム / 劣モジュラ関数 / 組合せ最適化 / 数理計画 |
Research Abstract |
平成17年度の研究に関わる主な研究成果は以下の通りである。 1.劣モジュラ関数を一般化した双劣モジュラ関数を最小化する多項式時間アルゴリズムを示した(SIAM Journal on Discrete Mathematicsに掲載)。このアルゴリズムは弱多項式時間アルゴリズムであって、強多項式時間アルゴリズムではない。この問題をさらに解決する研究を進めている。 2.離散凹効用関数をもつ2部マッチングマーケットの安定解の存在を構成的に示した(Discrete Applied Mathematicsに掲載予定)。このモデルで部分的に有界なお金のやり取りに制限することによりさらに一般的なモデルを考察し、その安定解の存在も示した(Mathematics of Operations Researchに掲載予定)。これらの成果を基に、劣モジュラ構造を有するマーケットの研究をさらに進めている。 3.木構造をもつネットワーク上の動的フロー問題を、大規模災害時の避難誘導の観点から研究し、最適な避難場所(施設)の配置ならびに誘導を見出す高速なアルゴリズムを構成した(Journal of the Operations Research Society of Japanに掲載、およびDiscrete Applied Mathematicsに掲載予定)。また。劣モジュラ的構造をもつ施設配置問題に関する課題の整理を進めている。 4.フロー制約をもつ最適な施設配置問題に関して、ラミナー集合族によって与えられる被覆制約の下での凹関数最小化問題を考察し、ラミナー集合族によって定まる台集合の分割に対応して分解される形の目的関数の場合に多項式時間アルゴリズムを構成し、固定費付き線形関数の場合のアルゴリズムの高速化や、一般的な凹関数の場合のNP困難性などを明らかにした(ISAAC2005で発表)。さらに、枝・点連結度の制約を一般化したフロー制約をもつ複数個の施設(フロー入口)の最小費用配置問題に対して、強NP困難性や近似可能性などの計算複雑度に関する成果を得た(LATIN2006で発表)。
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Research Products
(10 results)