2005 Fiscal Year Annual Research Report
社会システムの様相性に注目したビジネスプロセスの設計方法論
Project/Area Number |
16310112
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片井 修 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50089124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 浩司 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (90214600)
須藤 秀紹 秋田公立美術工芸短期大学, 産業デザイン学科, 講師 (90352525)
塩瀬 隆之 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90332759)
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Keywords | ビジネスプロセス / 様相性 / コミュニティデザイン / 生態心理学 / 創発 |
Research Abstract |
「ある・ない」の二値的取扱いをする方が、「可能・必然」「義務・許可」などの様相を導入する場合よりも、一般のシステム構築には望ましい。しかしそのような理想的な対象系は限られたものであり、一般には様相が本質的でありそれを排除しては対象系のモデル化が本来不可能な場合が多い。本研究ではそのような対象系としてビジネスプロセスに注目し、新規ビジネスモデルが投入された場合の社会システムの変容を考慮した上でビジネスモデルを設計する方法論の策定を目的としている。研究二年目の平成17年度における研究成果を以下にまとめる。 まず、社会システムの変容は多分に文脈依存・状況依存であり、トップダウンに作りこんだモデルによってそれらを全て予見することは不可能である。そこで、社会システムを構成する各セクタをまず定めるというボトムアップなアプローチを本研究では採用している。ただしここで、各セクタに想定し得る全ての文脈を与えその各々での挙動をトップダウンに定めることは、本末転倒であり、現実的に不可能でもある。したがって必然的に、セクタという「個」に情報を与えるのではなく、個と個のつながりが重要な役割を担う。すなわち、「要素分割」とその「最適化」という、一般のシステム理論では疑うことも無く盲従されるアプローチを採用することができないという本質的問題が発生する。これに対して、より本質的な「時間」概念の再考から始めて新たなシステム論のベースを構築し、ヒューマンインタフェース学会誌で発表した。一方、そのような研究全体に横断的にかかわる基礎理論に対して、社会システムの一部を切り出し、それぞれにおいて、個ではなくその「つながり」を表すネットワークから知見を得る方策も検討し、その一部を学術雑誌で報告した。たとえば、webを介した人と人のつながり、ケアの場面における看護師と患者のつながり、経営技術移転における師弟のつながり、美術工芸作品を介した作者と鑑賞者のつながり、などである。
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Research Products
(7 results)