2006 Fiscal Year Annual Research Report
社会システムの様相性に注目したビジネスプロセスの設計方法論
Project/Area Number |
16310112
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片井 修 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50089124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 浩司 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (90214600)
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (90352525)
塩瀬 隆之 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90332759)
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Keywords | ビジネスプロセス / 様相性 / コミュニティデザイン / 生態心理学 / 創発 |
Research Abstract |
ローカルな利益追求が逆にグローバルな衰退をもたらす社会現象の発生を説明する一つのキーワードは"社会システムの様相性"である。本研究は、社会システムとの相互作用を無視できない好適な対象として「ビジネスプロセス」をとりあげ、社会システムの様相性に注目したビジネスプロセス設計方法論の構築と、その実証実験を目的としている。研究三年目の平成18年度における研究成果を以下にまとめる。 まず本研究では社会システムに含まれる各セクターがどのような状態集合を達成できるかを、様相論理における可能世界の可達性として取り扱うことを試みた。これによって、全ての可能な事象を予め想定するというトップダウンなアプローチではなく、各セクターをまず定めるというボトムアップな方法を実現した。本成果は国際ジャーナルに発表された. 事例調査から抽出した社会システム特有の様相性を拡張ペトリネットに翻訳する16・17年度に開発した方法に加え,どのような種類の特殊アークを導入することでこの社会システム特有の様相性を網羅的に記述できるかを検討した。さらに,これまで調査・検討してきたディープエコロジーと自然農法のシステム論的理解から、開放系システムの現象発生メカニズムを究明し,「秩序化/脱秩序化」や「分化/統合」という相補的なスキームとして捉えうるパタンを単位として分析してきたアプローチとの統合的枠組みを構築した.17年度に完了した「社会システムに見られる様相性の整理」「プロセスを表現するモデルの精緻化」を反映し,これまでシステム内でのコミュニティ形成に関する知見を出発点として他事象にまで拡張する検討をすすめてきた相補的なスキームによるコミュニティ形成と整合する事象発生メカニズムを検討し、そのメカニズムを記録・蓄積する手法をフィールドケースとして開発した.本成果は経営情報学会誌に発表された.
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Research Products
(7 results)