Research Abstract |
平成17年度における研究実績の概要を以下に示す. 1.技能訓練で用いる基本的な動作を作成する手法を提案した.1つの技能の中では,手の使い方などがよく似た動作が存在する.それらの動作を動作軌跡を規準として分類し,分類毎に模範となる動作を作成する.適用例では,技能者が筆を用いて書いた文字より類似の動作軌跡を抽出し,模範となる動作を作成し,その動作を技能訓練装置で再現した.適用例では,2次元の動作へ適用したが,3次元の動作への適用も可能である. 2.開発した技能訓練装置を用いる際に,訓練習得効率に影響を及ぼす因子を仮定し,実験計画法によりそれらの因子の影響を明らかとした.実験では,習字の動作訓練を行い,影響を及ぼす因子として,大きさ,速度,字の種類などを取り上げた.今回の実験では,訓練する字の大きさと字の種類が影響した. 3.道具を用いる技能の習得判定として,把持圧力分布を用いた判定法を提案した.技能訓練装置は,模範となる動作を再現するため,習得できていない状態では不要な把持圧力が発生する.それに対して習得後は,不要な把持圧力が発生しなくなる.適用例では,習字における筆の動きを技能訓練装置で再現し,それを握る技能者,未熟練者に圧力分布を測定した.その結果,技能者は筆の動きに合わせて手を動かせているため,未熟練者に比べて把持圧力が小さいことが確認できた. 4.旋盤のハンドル操作における把持圧力変化を熟練技能者と未熟練者についてそれぞれ測定し,違いを分析した.分析方法として,ハンドルの回転方向と把持位置の関係より,指をグルーピングし,そのグループ毎の把持圧力の合計値を用いて評価を行った.
|