Research Abstract |
本年度は,前年度2年間の成果を国際会議にて5件の発表を行った.その5件の発表では,技能の測定に関する研究1件,技能の分析に関する研究2件,技能の伝承に関する研究2件であった.その中の1件では,開発した技能訓練システムの訓練効率をあげるための様々な訓練条件の組み合わせにおける習熟の違いに関する発表を行った. また,研究としては,技能者の一連の動作の中から特徴的な動作を抽出し,分類するための手法を行った.この分類法の妥当性を評価するために,書写動作における熟練者の動作を約100文字について測定し,その中から各辺の抽出後,分類を行った.そして,書写における既存研究の分類と比較,考察を行った.提案手法は,書写動作に限定した手法となっていないため,今後,他の技能への応用が可能である. さらに,技能の伝承においては,作業中の動作に伴った視点も重要であることがわかってきたため,技能の測定法を拡張するために,視線計測装置と動作測定装置を組み合わせた技能の測定方法の構築にも取り組んだ.この研究でも,書写動作における熟練者の動作を測定したところ,書いている辺の先ではなく,次に書く辺を見ながら作業を行っていることが明らかとなった.それに対して,未熟練者では,書いている辺の先を見ていることが明らかとなった.これらのことから,技能者と未熟練者では動作と視点の動きの関連が違うことが予想され,今後,研究を進めていくことにより,より短時間で技能の伝承を行うことができると考えられる.
|