2005 Fiscal Year Annual Research Report
2003年十勝沖地震群による強震動の特性評価とその予測に関する研究
Project/Area Number |
16310120
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笹谷 努 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10002148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鏡味 洋史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70016476)
高井 伸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10281792)
岡田 成幸 名古屋工業大学, 大学院・社会工学専攻, 教授 (50125291)
石川 博之 独立行政法人・北海道開発土木研究所, 構造研究室, 室長 (70414167)
佐藤 京 独立行政法人・北海道開発土木研究所, 構造部・構造研究室, 研究員 (30414171)
|
Keywords | 2003年十勝沖地震 / 長周期地震動 / 最大地動速度 / 微動アレー観測 / 非線形地震応答 |
Research Abstract |
2003年十勝沖地震(M8)時に,苫小牧市と同様に石油タンク被害の生じた石狩平野西北部の石狩湾新港近辺で観測された強震動記録を基に,その要因について検討した。h=1%の速度応答スペクトルの検討から,周期約5秒の応答値が当地において極めて大きく,これが大きなスロッシング及び石油タンク被害を発生させた要因であることを明らかにした。そして,石狩湾新港付近で5秒の大きな地動が生じた原因を解明するために,微動アレー観測により地下構造を推定した。 次に,M8の大地震による最大地動速度(PGV)の空間分布と距離減衰関係について再検討した。速度波形の検討から震央距離約150kmよりも近地では直達S波が,それよりも遠方では周期約20秒のレイリー波がPGVに寄与していること,及び,距離減衰関係に見られる距離約300kmにおけるPGVの大きなバラツキがレイリー波の放射特性,つまり,震源の影響によることを明らかにした。 続いて,前年度に続いて,KiK-net観測点(TKCH07)を中心にした十勝川下流域の地下構造調査を実施した。調査項目は以下の通りである。(1)微動アレー探査,(2)表面波探査,(3)サウンディング探査,(4)鉛直アレー強震記録によるS波スペクトル比(地表/地中)による同定である。これらの多種の調査項目は,(4)で推定された表層におけるS波速度50m/sをチェックするためである。いずれの探査においてもこの極めて軟弱な層の存在を確認できた。この結果に基づき,本震時の地盤の非線形地震応答に関する検討を行った。 最後に,全記録に対して非典型的な(Atypical)加速度波形の抽出を行った。その結果,最大余震による浦河でのK-NET(HKD109)記録に非線形地盤応答の一種,サイクリック・モビリティによる波形を見出した。今後は浦河地域の地盤調査を行う計画である。
|
Research Products
(6 results)