2006 Fiscal Year Annual Research Report
積雪寒冷地にある破砕性帯水地盤の斜面崩壊誘因の究明と崩壊発生機構のモデル化の研究
Project/Area Number |
16310121
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三浦 清一 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (00091504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤川 敏 北海道大学, 大学院工学研究科, 特任教授 (90360932)
石川 達也 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60359479)
横浜 勝司 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (50299731)
川村 志麻 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (90258707)
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Keywords | 寒冷地 / 火山灰質土 / 凍結・融解作用 / 斜面崩壊 / 粒子破砕 / 地盤防災 / 室内要素試験 / 数値解析 |
Research Abstract |
1.模型地盤の斜面崩壊実験結果に基づく斜面崩壊誘発因子の究明 (1)斜面崩壊に及ぼす影響因子相互の関係とその寄与度を、火山灰土斜面の降雨模型実験によって調べた。この結果、不透水層が存在する場合、斜面傾斜角度、不透水層境界部の摩擦、火山灰土層の締まり具合の順ですべり線の発達領域に強い影響を及ぼすこと、および盛土形状の火山灰土斜面では地下水位変動が斜面崩壊に強い影響を及ぼし、その寄与度は降雨履歴の影響と比べて高いことが明らかになった。 2.斜面崩壊シミュレーションに基づく崩壊機構の解明と崩壊を誘発する各影響因子の寄与度の検討 (1)斜面崩壊挙動に対する不連続体解析法の適用性について検討した。この結果、斜面崩壊挙動に対する不連続体解析法の有用性は示されたものの、ダイレイタンシー挙動が卓越するような斜面崩壊についてはブロック同士のかみ合わせや初期間隙を考慮してメッシュを作る必要のあることがわかった。 (2)斜面崩壊現象に及ぼす降雨の影響を検討するため、弾塑性FEMにより斜面崩壊解析を実施した。この結果、降雨時の斜面崩壊をFEMで再現するには、降雨浸透の影響が斜面内で不均一となることを考慮し、斜面を複数領域に分割して強度・変形パラメータを個別に設定する手法が有効であることがわかった。 3.斜面崩壊の危険度判定・安全性評価法の提案と効果的な防災対策方法の提示 (1)非凍上性の火山灰土でも凍結融解履歴回数の増加とともに粒子破砕が顕著となり、飽和破砕性粒状体の強度や剛性は履歴を受けていないものに比べて低下し、凍結融解作用による細粒分増加に伴って火山灰土の水分保持特性が高まった。また、凍結融解履歴が粒子の破砕特性に及ぼす影響は低圧密圧力レベルで顕著に現れた。以上のことから、表層近くに破砕性火山灰土が堆積した帯水斜面では、自然含水条件下でも経年劣化により斜面崩壊の危険度が高まる可能性がある。
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Research Products
(6 results)