2005 Fiscal Year Annual Research Report
土の引っ張り破壊を考慮した土構造物の地震時評価手法の開発
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16310130
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
酒井 久和 独立行政法人防災科学技術研究所, 地震防災フロンティア研究センター, 研究員 (00360371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末富 岩雄 独立行政法人防災科学技術研究所, 地震防災フロンティア研究センター, 副チームリーダー (30414402)
プリード ネルソン 独立行政法人防災科学技術研究所, 地震防災フロンティア研究センター, 研究員 (90333343)
飛田 善雄 東北学院大学, 工学部, 教授 (40124606)
吉田 望 東北学院大学, 工学部, 教授
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 教授 (70187293)
小林 義和 日本大学, 理工学部, 助手 (20339253)
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Keywords | 引っ張り破壊 / 構成モデル / 中空ねじり試験 / 動的モデル / 短周期地震動 / 粒子法 / 河川堤防 / 大変形解析 |
Research Abstract |
1.動的モデルに基づいて短周期地震動の生成メカニズムを明らかにした. 2.地震基盤から工学基盤までの情報が不足している場合に,過去の地震記録を用いたサイトの増幅特性の同定により,面的な強震動予測する方法を開発した.本手法を新潟県中越地震に適用し,広域な地震動予測を行った. 3.カオリン粘土を対象として,中空ねじり試験を行った.クラックの進展や応力ひずみ関係について結果を整理し,交番荷重を受けたときの粘土の脆性挙動について検討を行った.その結果,次の事項が明らかとなった.(1)クラックは最大引っ張り応力とほぼ垂直方向に発生する.(2)せん断力がほぼゼロになるような応力状態で発生したクラックが閉合する.(3)逆方向にせん断応力を作用させたとき新たなクラックが発生する.(4)既存のクラックが新たなクラックの発生を阻害する. 4.昨年度,構築したOrtizモデルを基本とした構成モデルに対して,地盤の繰り返し載荷時の脆性挙動の表現を試みたが,実験挙動を十分に表現できず,脆性挙動のヒステリシス挙動のメカニズムについて,新たな問題が提起された. 5.MPS(Moving Particle Semi-Implicit)法による弾性体解析のプログラムを開発し,MPI(Message Passing Interface)による並列化を行った.その結果,大変形解析が可能になったこと,並列化による計算速度向上と記憶領域の分散化が確認され,より大規模な問題を解くための環境が構築された. 6.河川堤防背後にゼロメートル地帯の市街地を有し,地震による堤防の破壊が甚大な2次災害を誘発すると想定される実在の構造物に対して,既往の耐震評価方法と2次元FEM解析による変形解析を行った.その結果,詳細な変形解析に基づく耐震性評価が著しく経済的であることを示した. 7.被害想定事例等に基づき,河川堤防の被害推定シミュレータを構築した.この結果,河川堤防の要耐震性検討構造物の1次抽出が容易となる.
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Research Products
(6 results)