2004 Fiscal Year Annual Research Report
動物遺伝子の機能発現に適した新規翻訳系の開発:リボソーム機能工学の利用
Project/Area Number |
16310139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
内海 利男 新潟大学, 理学部, 教授 (50143764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 隆臣 信州大学, 繊維学部, 助手 (90362110)
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Keywords | リボソーム / タンパク質合成 / GTPaseセンター / L7 / L12 / L10 / P0 / P1 / P2 |
Research Abstract |
動物細胞タンパク質を網羅的に合成し、それらの機能を解析するためには既存のタンパク質合成系だけに頼らず、タンパク質の様々な特徴に対応した各種合成系を作成する必要がある。本研究ではタンパク質合成系の中核となるリボソームに焦点をあて、工学的改変により有用なタンパク質合成系を作成するのが最終目標である。本年度は、リボソーム中でタンパク質合成の速度制御部位となるGTPaseセンターを構成するリボソームタンパク質複合体を大腸菌と蚕の系で解析し、改変の可能性を探った。その結果次のような新たな知見が得られた。 1)L10(L7/L12)_2(L7/L12)_2として知られる大腸菌の5量体では、二つのL7/L12ホモダイマーが、L10のC末端の連続したアミノ酸配列(AとB)に結合することを確認した。また、その結合部位配列A-BをB-Aに入れ替えてもL7/L12は両部位に結合することが示された。 2)動物細胞の複合体P0(P1-P2)_2の場合、大腸菌L10のA,B配列に対応するP0部位がP1-P2ヘテロダイマーの結合にそれぞれ寄与することを明らかにした。また、その一方の結合部位を削除したP0に一個のP1-P2ヘテロダイマーを結合させた複合体形成に成功した。このP0(P1-P2)_1複合体はなお、P0(P1-P2)_2の40%程度のリボソーム機能誘発能を保持しており、P1-P2ヘテロダイマーが必ずしも二対存在することが必須ではないことが示された。 3)1)と2)の結果より、大腸菌L7/L12ホモダイマーの結合部位となるL10のA,B配列、および動物細胞のP1-P2ヘテロダイマーの結合部位となるP0上の相同配列を改変することで、L7/L12ホモダイマーやP1-P2ヘテロダイマーの結合数を変化させ、リボソーム機能を調節できる可能性が示された。
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Research Products
(2 results)