2005 Fiscal Year Annual Research Report
動物遺伝子の機能発現に適した新規翻訳系の開発:リボソーム機能工学の利用
Project/Area Number |
16310139
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
内海 利男 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50143764)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 隆臣 信州大学, 繊維学部, 助手 (90362110)
|
Keywords | リボソーム / タンパク質合成 / GTPaseセンター / L7 / L12 / L10 / L11 / P0 / P1 / P2 |
Research Abstract |
動物細胞タンパク質を網羅的に合成し、それらの機能を解析するためには既存のタンパク質合成系に加え、多様なタンパク質の性質に対応した、様々な合成系を準備する必要がある。本研究ではタンパク質合成系の中核となるリボソームに焦点をあて、工学的改変により有用なタンパク質合成系を作成するのが最終目標である。本年度は、昨年度に引き続き、タンパク質合成の速度制御部位となるリボソームGTPaseセンターを構成するタンパク質複合体構造を大腸菌と蚕の系で解析し、改変とその利用の可能性を探った。また、イネ胚芽抽出液を用いたタンパク質合成系開発の可能性を探った。以下に、その内容の詳細を示す。 1)大腸菌GTPaseセンターの主要タンパク質複合体L10(L7/L12)_2(L7/L12)_2から一つのL7/L12ダイマーを遊離させた変異型リボソームの調製に成功した。この変異型リボソームによるタンパク質合成速度は低下しているが、遺伝情報の解読の精度には影響せず、得られた変異リボソームは減速型タンパク質合成系に利用できることが確認された。 2)動物細胞GTPaseセンターに存在する主要タンパク質複合体P0(P1-P2)_2の機能部位解析を行い、P0のN末端部位がrRNA結合に関与することを明らかにした。この部位への改変導入により、リボソーム機能に大きな影響を与えることが判明し、合成速度調節にこの部位の変位導入が有効である可能性が示された。 3)イネの胚芽抽出液にルシフェラーゼをコードするmRNAを添加し、タンパク質のin vitro合成を試み、活性を保持した酵素の産出を確認した。また、この合成効率が最大となる各種条件を設定した。
|
Research Products
(2 results)