2004 Fiscal Year Annual Research Report
巨大蛋白質をコードするKIAA遺伝子群の遺伝子欠損法による包括的機能解析
Project/Area Number |
16310141
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
中山 学 財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所, ヒト遺伝子研究部, 主任研究員 (30370927)
|
Keywords | 包括的機能解析 / 機能ゲノム / 巨大蛋白質 / KIAA / ノックアウトマウス / ヒトゲノム / 脳特異的 / 初期発生 |
Research Abstract |
包括的なcDNA研究によって得られた膨大な機能未知遺伝子の機能を効率的に解明するために、巨大な蛋白質をコードするKIAA蛋白質の遺伝子欠損マウスを作製し表現型の解析を行っている。「巨大な蛋白質は蛋白質複合体の中心的働きをするため、KIAA蛋白質の欠損は機能蛋白質複合体の機能全体に影響を与え、遺伝子欠損マウスで明らかな表現型を示す」という仮説の実証のために、ヒトで脳特異的に発現する5種類の機能未知のKIAA遺伝子(KIAA1409,KIAA1440,KIAA1447,KIAA1768,KIAA1276)の遺伝子欠損マウスを作製した結果、3種類のKIAA遺伝子欠損マウスで明確な表現型が得られた。その中のKIAA1440遺伝子欠損マウスは初期発生段階で死亡するが、発生段階のごく初期での異常を調べるために、妊娠2.5日と3.5日の胚を取り出し、微分干渉顕微鏡で形態学的な違いの観察や抗Eカドヘリン抗体と抗カテニン抗体を用いた免疫染色法を行った。その結果、KIAA1440-/-の卵は、2.5日の桑実胚までは正常に発生が進み、コンパクションも正常に行われ、Eカドヘリンやカテニンの分布に異常は観察されないが、完全な胚盤胞になることはできないことが明らかになった。更に各KIAA蛋白質の細胞内局在を調べるために、これらの5種類のKIAA蛋白質のNまたはC末端部分にGFP、Haloタグ、FLAGタグなどの配列を付加し培養細胞で強制発現させ、蛍光顕微鏡下で観察を行った。その結果、KIAA1409、KIAA1768とKIAA1276は細胞質、KIAA1447は核、KIAA1440はゴルジ体に局在する蛋白質であることが明らかになり、マウスの個体レベルの表現型と分子生物学的な機能を結びつけるための知見が蓄積された。また、マウスの遺伝的背景を均一にするために遺伝子欠損マウスのバッククロスも数世代進めることができた。
|
Research Products
(3 results)