2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエーテル分子の高効率合成による活性構造と精密機能の解析
Project/Area Number |
16310145
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 誠 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (80235267)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 雅人 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (70273571)
|
Keywords | ポリエーテル / 構造活性相関 / ガンビエロール / ギムノシン / 神経毒 / 細胞毒性 / 電依存性カリウムチャネル / 機能解析 |
Research Abstract |
赤潮毒ブレベトキシン類、シガテラ毒シガトキシン類やマイトトキシンに代表される海産ポリエテル系天然物は特異で複雑な巨大分子構造と従来の常識を越える極めて強力かつ多様な生物活性を有することから生命科学の幅広い分野で注目を集めている。しかし、天然からの試料入手が困難な極微量成分であるため、その標的分子やその活性発現の分子機構が未同定のままの化合物が多いだけでなく、それぞれの生物活性発現に必要な構造要因もまったく未解明である。本研究では、これらポリエーテル系天然物及び構造改変体を高効率的に合成し、詳細な構造活性相関を明らかにすることにより、ポリエーテル系天然物の多様な生物活性発現に必要な構造を明らかにし、作用機構解明に向けた高機能性分子プローブの設計・合成を目的とした。 強力な神経毒性を有するポリエーテル化合物ガンビエロールに関して、味細胞を用いた電気生理学的実験の結果、本化合物がナノモル濃度で電依存性カリウムチャネルを特異的に阻害することを見出した。細胞毒性ポリエーテル化合物ギムノシン類の全合成に関しては既に最初の全合成を報告しているが、フラグメントの改良合成を行い、量的供給が可能な全合成ルートを確立した。また、数種類の合成中間体に対してマウスリンパ腫細胞P388に対する細胞毒性を指標にして構造活性相関を行った。その結果、分子末端の2-メチル-2-ブテナール側鎖中のエナール構造が細胞毒性発現に重要な構造である可能性が明らかとなった。
|
Research Products
(5 results)