2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16310150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有本 博一 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60262789)
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Keywords | 生物活性 / 内因性 / ライブラリー |
Research Abstract |
本年度は、ライブラリーデザインの重要な基礎となる内因性の生物活性物質の研究が進んだ。 感染や炎症反応の際、一酸化窒素NOが産生され、多彩な生理作用を通じて生体防御反応に関与する。同時に、NOは核酸(グアニン塩基)のニトロ化を促進し、例えば、ニトローcGMPが酸化ストレス状態での細胞死を抑制することを明らかにした(熊本大学赤池教授との共同研究)。これまでの実験データは、ニトロ化核酸が酸化ストレス状態における新しい情報伝達分子として働くことを示唆している。また、その機能は標的タンパク質のSH基の修飾(S-グアニル化)を介する可能性が高い。このS-グアニル化は、新規の翻訳後修飾であるので、その一般性に興味が持たれる。 本研究課題では、ニトログアノシン誘導体の標的タンパク質を解明し、生物活性発現機序を明らかにすべくプローブ分子の合成を進めた。ニトログアノシン誘導体は不安定であるので、まずその安定化を目指した。リボースにフッ素原子を導入したニトログアノシン誘導体を合成し、その生理的条件での安定性を調べた。さらに、X線結晶解析を行なって、ニトロ基によるグリコシド結合の不安定化を構造的に実証した。ついで、標識化したニトログアノシン誘導体を、細胞抽出液と反応させ、標的タンパク質の探索を開始した。二次元電気泳動上のスポットの消化と解析を進めている。 これらの内因性修飾核酸の成果に加えて、本研究課題が取り上げてきた生物活性天然物の合成法のさらなる改良を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Protein S-guanylation by the biological signal 8-nitroguanosine 3',5'-cyclic monophosphate2007
Author(s)
T. Sawa, M. H. Zaki, T. Okamoto, T. Akuta, Y. Tokutomi, S. K. Mitsuyama, H. Ihara, A. Kobayashi, M. Yamamoto, S. Fujii, H. Arimoto, T. Akaike
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Journal Title
Nature Chemical Biology 3
Pages: 727-735
Peer Reviewed