2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物イソプレノイド生合成遺伝子資源の機能開発と応用
Project/Area Number |
16310153
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
大利 徹 富山県立大学, 工学部, 助教授 (70264679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 信康 岡山理科大学, 理学部, 講師 (60281250)
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Keywords | イソプレノイド / 環化酵素 / 放線菌 / copalyl diphosphate / pimara-9(11), 15-diene / KS505a |
Research Abstract |
1、昨年度筆者は、メバロン酸経路を持つ放線菌Streptomyces sp. KO-3988株からメバロン酸経路遺伝子クラスターを取得し、その周辺領域を解析した結果、原核生物起源としては始めてのコパリル2リン酸(CDP)生合成酵素遺伝子を見出した。この遺伝子のすぐ下流には、既知の何れの蛋白質とも相向性を示さない機能未知のORFが存在した。そこで今回、このORFの機能を探るためCDP生合成遺伝子とともに異種宿主であるS. lividansで発現させた結果、pimara-9(11),15-diene(PMD)の生産が確認できたごとから機能未知ORFは、CDPをPMDに変換する酵素であると推定された。そこで組換え酵素を用いて検討した結果、予想された活性を有していることを確認した。なお、本酵素はPMD生成活性を有する酵素としては始めての例である。 2、環化テトラテルペノイド(C40)であるKS-505aの生合成に関与するイソプレノイド環化酵素遺伝子の取得を試みた。最初にKS-505aの直接前駆体となるoctapren1l diphosphate(OPD, C40)の生合成酵素遺伝子の取得を試みた。ゲノム解析が終了した放線菌2株では、OPD生合成酵素遺伝子を含むポリプレニル2リン酸生合成酵素遺伝子が5個程度存在することが分かっている。そこで、PCR法によるこれらの部分遺伝子の取得、コロニーハイブリダイゼーションによる全長遺伝子の取得、塩基配列解析を行った結果、候補遺伝子を4つ得ることができた。これらを組換え酵素として発現させ、反応産物の炭素鎖長を調べた結果、1つがC40であった。そこで本遺伝子の周辺領域を解析した結果、KS-505aの生合成に関与すると推定される遺伝子クラスターを見出すことができた。本クラスター内にはイソプレノイド環化酵素と推定される遺伝子が存在したことから、本酵素を組換え酵素として発現させ、OPDを基質として反応させたが反応産物を検出することはできなかった。しかし、酵素をエポキシド体の基質であるオキシドスクアレン(C30)と反応させた結果、GC-Massで特異的なスクアレン関連化合物が生成していることを確認した。また、本環化酵素はエポキシドが無いスクアレンには反応しないことから、今回見出した環化酵素はエポキシド体を環化する酵素であることが分かった。
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Research Products
(5 results)