2006 Fiscal Year Annual Research Report
微生物イソプレノイド生合成遺伝子資源の機能開発と応用
Project/Area Number |
16310153
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
大利 徹 富山県立大学, 工学部, 助教授 (70264679)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 信康 岡山理科大学, 理学部, 講師 (60281250)
|
Keywords | イソプレノイド / 環化酵素 / 放線菌 / ent-copalyl diphosphate / pimara-9(11),15-diene / brasilicardin A / furaquinocin A |
Research Abstract |
1.筆者はこれまでに、イソプレノイド化合物の共通出発原料であるイソペンテニル2リン酸の生合成経路としてMEP経路とメバロン酸経路を併せ持つ放線菌は、例外なくイソプレノイド化合物を生産し、更にそれらの生合成遺伝子群は、メバロン酸経路遺伝子群近傍に存在することを見出した。本方法論を駆使し、Streptomyces sp.KO-3988株からイソプレノイド-ポリケタイド融合化合物として初めての例となるfuraquinocin A生合成遺伝子群、および原核生物起源として初めて3-hydroxypimara-9(11),15-diene生合成遺伝子群を取得した。さらに、後者の生合成に関与する2つのジテルペン環化酵素{ent-copalyl diphosphate生合成酵素(CDPS)とpimaradiene生合成酵素(PmS)}を組換え酵素として発現させ酵素学的諸性質を詳細に検討した。その結果、CDPSは基質であるgeranylgeranyl diphosphate(GGDP)を環化しent-copalyl diphosphateへと変換し、次いでPMDSがpimara-9(11),15-dieneへと変換することを明らかにした。また、両酵素の詳細な酵素学的諸性質を検討し以下の結果を得た。CDPS:至適温度35℃、至適pH5.5、Km13.7μM±1.0、Vmax36.4±0.9、金属要求性、Mgで高活性。PMDS:至適温度30℃、至適pH7.0、Km2.57μM±0.2、Vmax0.96±0.014、金属要求性、Mg、Coで高活性。 2.放線菌Nocardia brasiliensisIFM 0406株が生産するbrasilicardin A(BC)は、ジテルペン、アミノ酸、糖、芳香環からなるユニークな天然生理活性物質である。その生合成を明らかにする第一歩として、生合成遺伝子クラスターの取得・解析を行った。IFM 0406株はメバロン酸経路を有さないため上記方法論は使えない。そこで、BCがジテルペン骨格を有することを利用し、最初にGGDP生合成遺伝子を取得した後、周辺領域を探索することにより11の遺伝子群からなるBCの推定生合成遺伝子クラスターを取得した。これらが実際にBCの生合成に関与することを証明するため、異種宿主であるS.lividansに導入した結果、2つの特異的化合物が生産された。LC-MSで解析した結果、これら化合物はBC関連化合物と推定されたことから、取得した遺伝子群はBC生合成遺伝子群と推定された。
|
Research Products
(4 results)