2004 Fiscal Year Annual Research Report
作物近縁野生種コアコレクションを利用した効率的共生系遺伝子資源保全方法の開発
Project/Area Number |
16310160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
友岡 憲彦 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝資源研究グループ, 主任研究官 (40373253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 正 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70313286)
加賀 秋人 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝資源研究グループ, 主任研究官 (30391551)
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Keywords | 共生系遺伝子 / 作物近縁野生種 / コアコレクション / 多様性の保全 / Bradyrhizobium属根粒菌 / Vigna属野生種 |
Research Abstract |
本課題の目的はアジア熱帯地域で多様な種分化を遂げているVigna属マメ科野生植物に着生している根粒菌の遺伝的多様性を明らかにし、Vigna属コアコレクションを用いて、効率的に新規共生関連遺伝子の多様性を収集保全する方法を開発することである。以下に本年度の研究実績概要を述べる。 1)タイに自生するVigna属野生植物に着生していたBradyrhizobium属根粒菌は、これまでに解析が進んでいた温帯のダイズ、タイのダイズに着生している根粒菌とは大きく異なる根粒形成遺伝子を持っており、その遺伝的多様性も非常に大きいことが分った。種分類の指標となるgyrB遺伝子領域の解析でも、これらの根粒菌がこれまでに知られていない新しい変異を持っていることが判明した。これらの菌は、根粒着生応答反応のシグナル物質であるNodファクターにも変異がみられ、Vigna属のマメ科作物であるアズキ、リョクトウ、ダイズ等に対して多様な根粒着生反応がみられた。 2)新規共生関連遺伝子多様性を収集するために、スリランカ、パプアニューギニア、石垣島において多様な環境条件下において自生しているVigna属野生計13種から根粒菌を収集保全した。 3)植物側の共生関連遺伝子の多様性を評価するため、ミヤコグサで報告されたNodファクター認識遺伝子NFR1とNFR5をVigna属で増幅するためのプライマー設計を試みた。ミヤコグサのNFR遺伝子およびその他の植物の相同性の高い遺伝子の遺伝配列から複数の縮合プライマーを設計し、アズキ(Vigna angularis)の根から抽出したRNAを用いてPCR増幅を行ったところ、NFR1に相当する1194bpの断片と、NFR5に相当する約1300bpの断片が得られた。その塩基配列を解析した結果、ミヤコグサのNFR1とNFR5に類似する遺伝配列がアズキの根でも発現していると考えられた。
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Research Products
(8 results)