2005 Fiscal Year Annual Research Report
植民地朝鮮における日本人生活誌の再構成-木浦とその周辺地域を事例として-
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16310163
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石川 捷治 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (30047740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出水 薫 九州大学, 大学院・法学研究院, 助教授 (20294861)
松原 孝俊 九州大学, 韓国研究センター, 教授 (20150378)
稲葉 継雄 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (00134180)
有馬 学 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (80108612)
黒木 彬文 福岡国際大学, 国際コミュニケーション学科, 教授 (60009850)
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Keywords | 植民地期朝鮮在住日本人 / 聞き取り調査 / ネットワーク / ライフヒストリー / 木浦 / 韓国20世紀民衆生活史研究団 / 国際シンポジウム / 映像記録 |
Research Abstract |
研究計画に基づき、本年度は以下の研究を実施した。 1.旧日本植民地期在住日本人に関する「ネットワーク」の追跡調査。この調査は、聞き取り調査を有効におこなうための基礎作業である。ここでいう「ネットワーク」とは、植民地期朝鮮半島での居住という歴史的な経験により形成されたか、またはそうした経験を通じて再生産された日本人の対人関係を意味する。現在の活動状況や成立の経緯、メンバーの所在などの具体的解明につとめた。 2.当事者からの聞き取り調査。九州を中心に当事者からの聞き取り調査をおこなった。調査に際しては、今後の資料活用を念頭に置き、可能な限り音声および映像記録に努めた。その際、彼ら/彼女らのライフヒストリーに軸をおいて実施した。また、当事者が所蔵している資料についても、コピー、撮影、スキャン等をとるなどして収集をおこなった。 3.木浦とその周辺地域での現地調査。調査にあたっては、木浦文化院などの協力を得ることができた。植民地期の建築物をビデオカメラで撮影するとともに、現地に所蔵されている資料の収集を行った。当事者の高齢化が進む中、今回、植民地期在住日本人の方との同行調査をおこなえたことは、貴重な機会であった。 4.国際シンポジウムの開催。2005年12月18日に国文学研究資料館などの協力を得て、九州大学において国際シンポジウムを開催した。第1部では、現在国際的に関心を集めている「植民地近代化」論を主な題材として世界の第一線の研究者による研究発表・討論と、韓国20世紀民衆生活史研究団団長の朴賢洙教授の特別講演をおこなった。第2部では、アーカイブ研究を主題に日本と韓国の研究者による個別研究報告をおこなった。また、昨年度同様、今回のシンポジウムでも福岡市内に居住されている植民地期在住経験者にご参加を頂いた。これら以外にも、九州大学などにおいて数度にわたって研究会を開催した。
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Research Products
(10 results)