2005 Fiscal Year Annual Research Report
外へ向かう中国とインド:内的発展とアジアへのインパクト
Project/Area Number |
16310167
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
天児 慧 早稲田大学, 大学院・アジア太平洋研究科, 教授 (70150555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 司 東京大学, 大学院・人文社会研究科, 教授 (70126283)
菱田 雅晴 法政大学, 法学部, 教授 (00199001)
柳沢 悠 千葉大学, 法経学部, 教授 (20046121)
加藤 弘之 神戸大学, 大学院・経済研究科, 教授 (70152741)
広瀬 崇子 専修大学, 法学部, 教授 (20119431)
|
Keywords | ガヴァナンス / 市場化 / IT産業 / アイデンティティー / モビリティー / 中産階級 / ディアスポラ / 対外戦略 |
Research Abstract |
中国とインドのダイナミックな変容を内と外から比較、相互作用の視点から捉えるという研究プロジェクトは本年度が最終年となった。まず主なプロジェクト活動について前年度と同様、定例の研究会を継続すると同時に8月1日〜3日にかけて研究合宿を行い、各分担者からの集中的な報告と、それに関連した相互の意見交換を行った。また1月28日には丸1日の集中合宿を行い、各分担者の研究の到達点と執筆にあたっての課題などに関する報告を求め、その上での執筆概要に関する意見交換を行った。さらに3月5日〜12日までの間、インドのデリー、アムリットサル、チャンディガルなどを訪問し、ジャワハール・ネルー大学、パンジャブ大学などで学術シンポジウムを行うと同時に、各地の農村視察などを実施した。 最終的には中国とインドに関する出版企画を考えているが、その基本的な項目としては、Iガヴァナンス、IIマーケット、IIIモビリティー、IVアイデンティティー、Vストラティジー、VIセキュリティーの6つに絞り、それぞれの項目の中で幾つかの共通した論点を設定しながら、それらに対する中国側、インド側の回答を試みるといった手法でまとめていくことにした。例えばガヴァナンスに関する論点としては、以下のような点を検討する。1=広大な領域空間の支配、膨大な人口、他民族と地方主義の強い社会の統合の基本思想は何か、2=共通して巨大な領域、人口を抱え、(半)植民地化の歴史体験を有している2つの大国が、第2次大戦後は一党独裁体制と多党制自由主義体制という相異なる政治体制を選択した。統治における相違点、共通点とは何か。3=対外開放、市場化政策に対応した新しいガヴァナンスの創出は見られるか、4=統治される側(社会・民衆)の政治社会・文化の特徴をどのように理解するか、である。中印を比較、関係、影響などの視点からどう捉えるかの課題は、容易ではなかったが有意義であった。
|
Research Products
(7 results)