2005 Fiscal Year Annual Research Report
若年属におけるケア意識の実態とその形成過程に関するジェンダー論的研究
Project/Area Number |
16310172
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
天童 睦子 名城大学, 人間学部, 助教授 (50367744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国広 陽子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (10308017)
室井 尚恵 西武文理大学, サービス経営学部, 助教授 (60269355)
大脇 奈智子 羽衣国際大学, 人間生活学部, 助教授 (00280066)
太田 由加里 田園調布学園大学, 人間福祉学部, 講師 (90310432)
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Keywords | ケア / ジェンダー / 若者 / 介護 |
Research Abstract |
本研究は、若者のケア意識、ケア倫理、ケア経験の実態を、実証的調査研究によって明らかにし、ジェンダーの観点からケア意識の形成に影響を与える社会的・文化的要因を分析することを主な目的とする。本年度は上記研究課題のもとに研究会を定期的に開催し、研究目的に合致した調査の枠組み、分析方法の検討を中心に熱心に討議を重ねた。本年度の研究計画に沿って、若者のケア意識調査を実施したほか、学会報告を行い、成果の発信に努めた。主な研究実績は次の通りである。 1.若年層におけるケア意識の実態とその形成過程に関する調査の実施および基礎分析 本年度は前年度より継続してきたケアとジェンダーの理論的検討をふまえて、質問紙調査の分析枠組みの精緻化を行った。そのうえで調査項目を設定し、若年層を対象としたケア意識調査を実施した。調査対象者は首都圏、東海、ならびに関西圏の男女学生(大学生・専門学校生)で、看護、介護、福祉領域で学ぶ学生、およびその他の専門領域の学生を合わせて1100名を超える回答を得た。同調査データを、専門領域別、性別、ケア経験、ジェンダー意識などを軸として整理・分析し、その基礎データを中間報告書(資料編)としてまとめた。 2.研究報告の実施 国際ジェンダー学会において「ケアワークとジェンダー研究の展望と課題」と題して、共同研究報告を行った(平成17年9月、於:武蔵工業大学)。主な報告内容は、前年度より継続してきた男性ケアワーカー(介護職、看護師、保育士)の聞き取り調査に基づいたケア労働とジェンダー関係の考察、ケアワーカー養成教育の現状と課題などである。本報告を通して、現代日本のジェンダー構造とその問題点、男女共同参画時代におけるケアワークの課題が明確化され、今後の研究展開に有意義な示唆を得た。
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