2005 Fiscal Year Annual Research Report
両大戦間に日欧の相互交流が日本哲学の形成・発展に与えた影響をめぐって
Project/Area Number |
16320004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 正勝 京都大学, 文学研究科, 教授 (90165390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 文昭 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00263351)
岡田 勝明 姫路獨協大学, 外国学部, 教授 (00203985)
小浜 善信 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10124869)
片山 洋之介 茨城大学, 人文学部, 教授 (10007750)
加藤 泰史 南山大学, 外国語学部, 教授 (90183780)
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Keywords | 日本哲学 / 日欧交流 / 比較思想 |
Research Abstract |
昨年、両大戦間に日欧の哲学者のあいだで実際にどのような交流が行われ、それがどのような成果を生んだのかを跡づけるために、資料・文献の調査や収集を行い、それをもとにどのような交流がなされたのかをめぐって、具体的な解明の作業を開始した。本年もその作業を継続して、基本的な資料の作成を行うとともに、研究の重点を徐々に、この交流を通して日本の哲学者がどのような形で思想形成を行っていったのかという点に移していった。具体的に述べれば、初年度の研究を通して浮かび上がってきた点に、日本の哲学者の留学が一九二〇年代に集中していること、そしてその期間にドイツやフランスにおいて、現象学や生の哲学など、20世紀の新しい思想潮流のほとんどのものが成立を見ていた点がある。この新しい思想潮流がどのようなものであったのか、その具体的な内容を歴史的な文脈のなかで考察することを試みた。また、そのような新しい思想潮流に触れることによって、ドイツやフランスに留学した日本の哲学者が何を吸収したのか、それをどのような形で自らの思想形成に生かしていったのか、そのような点の解明に研究の力点を移していった。それぞれの研究分担者が得た成果を、本年3回、集中的な形で行った研究会において発表しあい、それについて徹底した検討を行うとともに、その成果に基づいて、来年度の研究課題の検討を行った。来年度は、いま述べた、日本の哲学者の思想形成の過程に力点おき、どのような点に日欧の思想交流の成果が見て取れるかということを明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(7 results)