2006 Fiscal Year Annual Research Report
両大戦間に日欧の相互交流が日本哲学の形成・発展に与えた影響をめぐって
Project/Area Number |
16320004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 正勝 京都大学, 文学研究科, 教授 (90165390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 文昭 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00263351)
岡田 勝明 姫路獨協大学, 外国学部, 教授 (00203985)
小浜 善信 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10124869)
加藤 泰史 南山大学, 外国語学部, 教授 (90183780)
高坂 史朗 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (20170178)
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Keywords | 日本哲学 / 日欧交流 / 比較思想 |
Research Abstract |
平成16、17年度には、両大戦間に日本とヨーロッパの哲学者のあいだでどのような交流が行われ、それがどのような成果を生んだのかを跡づけるために、資料・文献の調査や収集を行い、それをもとにどのような思想的交流がなされたのかをめぐって具体的な解明の作業を行った。18年度は、これらの成果を踏まえ、とくに、日本の哲学者がどのような形で自らの思想形成を行っていったのかという点に力点を置いて研究を進めた。これまでの研究を通して浮かび上がってきたのは、日本の哲学者のドイツ・フランスへの留学が1920年代に集中していること、そしてこの時期にドイツやフランスにおいて、現象学や生の哲学、哲学的人間学、実存主義など、20世紀の新しい思想潮流のほとんどのものが成立をしていた点である。これらの新しい思想潮流はどのような思想的動機に基づいて成立したのか、日本の哲学者たちは、この新しい思想潮流のどこに注目し、どのような点を吸収していったのか、またその成果を踏まえて、どのような形で自らの思想形成に行っていったのか、さらには、その思想形成のプロセスにおいて、日本とヨーロッパの哲学者のあいだにどのような議論が交わされたのか、これらの点を、両者の相互影響・相互批判にまで踏み込んで解明することを試みた。以上の点に関してそれぞれの研究分担者が得た成果を、集中的な形で行った研究会において発表しあい、それについて徹底した検討を行うとともに、それを論文の形にまとめた。研究成果報告書には、その成果である14本の論文を収めた。
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Research Products
(7 results)