2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16320030
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Research Institution | Shonan Junior College |
Principal Investigator |
奥出 健 湘南短期大学, ヒューマンコミュニケーション学科, 教授 (30110076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 宏 東京大學大学院, 人文社会系研究科, 助教授 (30193113)
池内 輝雄 帝京大学, 文学部, 教授 (20075013)
勝又 浩 法政大學, 文学部, 教授 (90161083)
神谷 忠孝 北海道文教大學, 外国語学部, 教授 (10055171)
曾根 博義 日本大學, 文理学部, 教授 (90120493)
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Keywords | 新聞文芸記事 / 戦争 / 占領地 / 文壇 / 植民地 / 伊藤整 / ジャワ日報 / 加藤朝鳥 |
Research Abstract |
平成17年度における本調査・研究は昨年度につづき、共同研究者各自が、受け持ちの研究テーマに沿って研究情報を収集または整理しつつ、必要な文献の購入なども行った。 代表者の奥出は既収集分(昭和10年代の新聞文芸記事)の精度を増すよう、確認作業を続けるとともに、昨年度のアメリカ議会図書館での調査を本務校「紀要」に発表した。また昭和10年代の文芸家の植民地意識を閲するために、井伏鱒二らの戦時中のエッセイなどを比較調査、その調査の一報告として「井伏鱒二の植民地」なる論を発表した。既存収集分の整理は今後一年間必要とする分量となっている。 安藤はひきつづき太宰治と戦前期新聞の関係を調査、池内は大正期の「時事新報」から昭和戦前までの連続性をたどる調査を続行している。これはのちの木村、竹松の実績のところでも述べるが、昭和戦前文芸記事の調査研究という行為は、その調査対象を昭和の戦争期に絞れば絞るほど、時代の空気や状況を研究するその効果を減じさせているということを教えてくれた。したがって奥出のように資料の整備を行う一方で、数名の共同研究者は大正期からの新聞の連続性を考えて調査研究を行わざるを得ない方向に動き出した面もある。 神谷は北海道における新聞を全般的に調査のうえ、資料として埋もれていた戦時下の地方新聞の文芸記事を採取した。 曾根は木村、竹松とともに本年もインドネシアに調査におもむき、「ジャワ日報」のタイトルのみならず、記事内容をこまかく採取するよう努力したが、写真撮影が許可されなかったために一定程度の効果しか得られなかった。が、大正期の重要記事についてはある程度の効果を収めた。占領地の邦字新聞については、なお調査が必要と思われる。 木村、竹松はインドネシアでの「ジャワ日報」記事内容採取を行うとともに、この新聞の編集主幹であった加藤朝鳥に注目、蔵国内の朝鳥の資料を調査した。報告書にも朝鳥関係は一定の結果を報告できよう。 十重田は昭和のモダニズムと新聞の関係を続けて調査している。
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Research Products
(2 results)