2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16320032
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
田渕 句美子 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 教授 (80222123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 真麻理 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 助教授 (50280532)
小川 剛生 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 助教授 (30295117)
久保木 秀夫 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 助手 (50311163)
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Keywords | 中世文学 / 中世文化 / 古典文学享受 / 書物学 / 国文学研究資料館 / 夫木和歌抄 / 新古今和歌集 / 伊勢物語 |
Research Abstract |
鎌倉期の文献・作品の中から、中世・近世において古典として受容され、多く流布したもの、享受史上重要なもの、享受の過程で多くの改変や抄出を経て、各時代による変容と反映が顕著なもの、現在は完本が存在しないが一部復元できる重要なものを中心に、継受と展開の動態を探った。以下、年度当初の計画に従って、4つの柱を立てて、研究を遂行した。 1.『夫木和歌抄』の研究。 『夫木和歌抄』の伝本・抄出本・関連文献の調査と研究を進め、研究基盤を整備するとともに、共同研究会を開催して、研究発表と討議を行い、研究を深化させ、その成立、享受などについて新たな知見を得た。また『夫木和歌抄』に深く関わる室町期の学芸と和歌についての論文を公刊した。さらに『夫木和歌抄』に多く見える『十六夜日記』についての本を著しその中に研究成果を反映させた。 2.『新古今和歌集』の版本の研究。 版本というメディアからの継受の研究が少ない『新古今和歌集』について、国文学研究資料館蔵マイクロフィルムによりデータを蓄積し、全体のほぼ半分についてその整理を終了し確定した。また『新古今和歌集』が編纂された後鳥羽院時代についての研究論文を公刊した。 3.『伊勢物語』版本の書誌的整理。 国文学研究資料館蔵のマイクロフィルムによって、昨年に続き、パソコンに書誌データ及び画像データを蓄積した。中世・近世以降の享受における版本の姿の変容を探るために、絵入り本・注釈書も含めて、広く調査と研究を行った。 4.散佚文献の研究。 現在は散逸した類題集で、現存しない勝命撰の『懐中抄』を中心に考察し、研究会で研究発表を行った。また散佚文献の研究に非常に重要な意味を持つ書籍目録の研究論文を公刊した。
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Research Products
(6 results)