Research Abstract |
本研究の目的は,わが国における舞台芸術研究の質的量的充実をはかるために,関係映像をどのように収集し,それらを研究者のみならず,一般学生や一般一民,あるいは同時代の舞台芸術にかかわる人々にどのように公開していけるのかを考えることにあり,われわれに出来る範囲での映像資料デジタル,アーカイヴ構築を開始するということが研究内容であつた。舞台芸術の場合は法的な権利関係が大変複雑であり,またその権利関係は対象となる国の法制度によってもさまざまであるため,本研究は,そのような法制度についての調査をすることで,実際に舞台芸術の映像アーカイヴを構築するにあたり,どのような問題があるのかを実践的にクリアーしていく一方,映像資料を保存メディアに蓄積してアクセス可能にするという場合に直面する技術的課題を研究し,それを解決していくことを目指した。さらに,本研究にかかわる少数の研究者による小さな映像資料アーカイヴの立ち上げを実践し,立ち上げにあたって直面した問題について,学会活動や論文執筆等の機会を使って広く周知することも本研究の目的てあった。最終年度にあたる平成19年度には以下のことが達成されていることが目標だったが,その多くが達成されたと考える。 (1)映像資料のデジタル,アーカイヴ化のための技術的問題を検討しつつ,実際のアーカイヴ化作業について一定の成果を見ること。 (2)各研究参加者が専門とする現代舞台芸術の諸分野につき,映像資料デジタル,アーカイヴを構築する上で必要な作品や作家の選定を終了し,アーカイヴ構築のための具体的な作業を終えること。 (3)国内の現代舞台芸術について,映像資料保存のプロジェクト担当者とコンタクトを取りつつ,映像資料の収集を継続し,すでに始まつたデジタル,アーカイヴ化作業を終了すること。 (4)4年間にわたつた当該研究についての報告書を作成すること。
|