2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16320034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚本 昌則 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 助教授 (90242081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 毅 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 名誉教授 (90011379)
塩川 徹也 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (00109050)
月村 辰雄 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (50143342)
中地 義和 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (50188942)
鈴木 雅生 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 助手 (30431878)
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Keywords | 時間意識 / 近代 / 文学 / 危機 / 直線的時間 / 回帰する時間 / ユートピア / 時間に関するディスクール |
Research Abstract |
文学にあらわれる時間意識は、それぞれの時代がはらむ危機と緊密に結びついている。本研究の目的は、テクストに錯綜した形で書き込まれた時間意識を読み解くことで、変動する時代に生きる人間がそれらの危機にどのように対処したかを探ることである。今年度はとりわけ、昨年度から大きな研究課題となった<前衛>と<後衛>に関する調査を、講演会や研究集会の開催を通して発展させた。 まず2006年4月14日に、独自の<後衛>研究を行っているウィリアム・マルクス氏(パリ第8大学)と、シュルレアリスム研究家ドミニック・カルラ氏(リヨン第2大学)のお二人に講演をしていただいた。5月13日・14日には、シュルレアリスム研究家・鈴木雅雄氏(早稲田大学)の全面的な協力を得て、「近代の二つの顔-<前衛>と<後衛>:戦争・テクノロジー・記憶」と題したシンポジウムを東京大学文学部で開催、次の先生方に発表していただいた。鈴木啓二(東大)、中地義和(東大)、守中高明(早大)、山田広昭(東大)、星埜守之(白百合女子大)、菅野賢治(都立大)、鈴木大悟(学振特別研究員)、永井敦子(上智大)、有田英也(成城大)、森本淳生(一橋大)、斎藤哲也(北海道大学大学院学生)、湯沢英彦(明学)、澤田直(立教大)、原和之(東大)、大平具彦(北大)、千葉文夫(早大)、野崎歓(東大)-発表順・敬称略。 同時に、研究分担者、研究協力者の調査・分析を通して、現代文学における時間意識の分析(鈴木雅生)、十九世紀文学における時間意識の分析(田中琢三)、<文学>概念の再検討(新谷淳一)を行った。 本年度は、三年間にわたる研究の最終年度にあたるため、こうした研究のすべてを報告書にまとめた。初年度の、東洋における時間意識と西洋における時間意識の比較、昨年度のクレオール文学とフランス文学の比較、さらにフッサール研究を通しての、哲学と文学における時間研究の融合の試みも、活字化した。文献調査においても、研究者の協力体制作りにおいても、今後さらにこの研究を進めるための基盤を作ることができた。
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Research Products
(7 results)