2004 Fiscal Year Annual Research Report
暴動する反近代としての〈過剰な食〉-規範の逸脱をめぐる複合文化学研究
Project/Area Number |
16320040
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福田 育弘 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70238476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 達之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60152849)
桑野 隆 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90143677)
後藤 雄介 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教授 (60296374)
高橋 順一 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80206812)
原 克 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40156477)
|
Keywords | 飲食 / 身体 / 表象 / ワイン / 排泄 / 嘔吐 / テクノロジー / 喰人 |
Research Abstract |
この研究の枠組みとなっている「複合文化学」の概念を明確にするための会合を、平均月1回の割合で行った。そこでは、複合文化学的な研究一般と、それにもとづいた飲食の複合文化学的アプローチとが、きわめて真剣に議論された。どんな文化現象も、根本的に複数の要素が複雑な形で構造化されて、つまり複合的に関係して成り立つことが確認された。そして、そのような複合性が、飲食という具体的なテーマを通して、多元的かつ多面的に考察された。共同研究に参加の教員が担当する早稲田大宇学教育学部学際コースおよび全学対象のテーマカレッジの講義・演習を対象に、複合文化学的なアプローチの教育への応用が行われた。また、昨年に引き続いて、紀要『学術研究』「外国語・外国文学編」を「複合文化学特集」として編集し、そこに飲食に関する複合文化学的な研究がいくつか発表された。研究代表者の福田は、研究課題の基本軸を設定する作業として、近代の飲食の表象の問題点を下記の共著と論文によって検討した。神尾は、<嘔吐>と<排泄>をめぐる問題系考察の予備的研究として、生体として主体が構築されるプロセスを死体の表象を軸に下記論文で論究し、この問題系を立体化するため、<感染>の表象とメタファーについて下記シンポジウムにおいて発表した。原は、大衆消費社会における過剰な食現象とに関して、テクノロジーの技術的進展と食のタイルとの関係性を表象分析し、それらを単著単行本にまとめる企画が進行中である。<喰人>を担当する後藤は、ラテンアメリカをめぐって展開された<喰人>表象の歴史的変遷のもつ意味合いを考察する論文を著した。桑野は、ロシア未来派に特徴的な反技術主義、アナーキズムに注目し、それらを政治に直接関わりえなかった理由と関連付けた。高橋は、政治的全体化による個の簒奪への抵抗としての食の政治性を考察したいと考え、下記論文でその準備作業を進めてきた。
|
Research Products
(13 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 文学と食2004
Author(s)
久保田淳編, 鈴木英夫, 福田育弘他
Total Pages
128(103-121)
Publisher
芸林書房
-
-