2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16320059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金水 敏 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70153260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 勝己 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (90206152)
岡崎 友子 就実大学, 人文科学部, 講師 (10379216)
大鹿 薫久 関西学院大学, 文学部, 教授 (20127195)
高山 倫明 九州大学, 大学院人文科学研究院, 助教授 (90179565)
乾 善彦 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (30193569)
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Keywords | 日本語 / 歴史 / 統語論 / 音韻論 / 形態論 / 語彙論 / 意味論 / 文字・表記論 |
Research Abstract |
本年度は3回の会合および講演会を実施した。会合では、主として、叢書「シリーズ日本語史」の内容・構成について検討した。「シリーズ日本語史」は、「音韻」「語彙」「文法」「日本語史のインタフェース」の4巻からなるものとし、それぞれについて目次案と執筆者を確定した。3回の講演者はすべて、「シリーズ日本語史」の執筆者の中から依頼した。 講演の第1回(H18.6.3)は、岡島昭浩氏(大阪大学大学院文学研究科)による「和漢混淆史としての日本漢語史をめざして-新・和漢混淆時代の江戸後期から明治を中心に-」である。「日本語史における漢語の歴史は和漢混淆の歴史という観点から考えなくてはいけない」という考えに基づき、新漢語の時代と言われる江戸後期から明治にかけてを、「新・和漢混淆時代」と捉えて、そこに見られる諸事象を関連づけて述べるものであった。 第2回(H18.9.10)は、木部暢子氏(鹿児島大学法文学部)による「トーンから見た日本語諸方言アクセントの形成」である。この発表は、下げ核、昇り核、トーンといった弁別要素を中心にして諸方言アクセントの形成過程を考えるもので、現在、核の方言と言われているものの中にもトーンの痕跡が見られることがあり、トーンの地理的広がりが従来考えられていたよりも広いことを指摘した。この観察を踏まえ、〔トーン・核〕言語から〔核〕言語と〔トーン〕言語が形成されたと考えることにより、いくつかの現象に説明が付くことを述べた。 第3回(H18.12.16)は、早田輝洋氏(九州大学名誉教授)による「上代後母音縮約の共時論と通時論」である。この発表では、(1)母音縮約を上代の共時論としてどう捉えるか、(2)上代語以前の音韻論はどの程度考えることが可能であるか、(3)上代語以後現代までの状況、(4)日本語以外の言語の状況、等の問題を扱った。 年度末には、研究分担者の既発表論文を中心に研究成果報告書を編集・発行した。
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Research Products
(13 results)