2007 Fiscal Year Annual Research Report
助動詞の体系が言語に及ぼす影響に関する理論的・実証的総合研究
Project/Area Number |
16320061
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鷲尾 龍一 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (90167099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 俊明 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (60213881)
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Keywords | 受動構文 / 助動詞選択 / 助動詞構文の類型 / 助動詞構文の起源 / ゲルマン諸語 / アジア諸語 / 共時的変異 / 通時的変化 |
Research Abstract |
本研究課題では,現代英語の特徴として(1)非人称受動を欠く〔独語・蘭語と異なる〕,(2)複合時制における助動詞選択(HAVE/BE選択)の現象を欠く〔独・蘭と異なる〕,(3)動詞の単純現在時制が未完了の解釈を許さない〔独・蘭と異なる〕,(4)迂言的進行形《BE+現在分詞》を有する〔独・蘭と異なる〕,(5)動作受動を《BE+過去分詞》の形式で表わす〔独・蘭と異なる〕,(6)格の区別を欠く〔独と異なり蘭と共通〕,(7)与格受動を許す〔独・蘭と異なる〕,(8)自由与格の生起が極端に制限されている〔独と異なり蘭と共通〕,(9)現在完了構文に特定の副詞類(yesterday等)が生起しにくい〔独・蘭と異なる〕,(10)動詞HAVEに基づく使役構文を有する〔独・蘭と異なる〕,などの点に注目し,これらの性質の間にどのような有機的関連があるのか(あるいはないのか)を検討してきた.最終年度である今年度は,(1)〜(10)についてこれまでに得られた成果をまとめ,その一般言語学的意義について,普遍文法理論,言語類型論,言語変化,言語の起源などの観点から多角的に検討した.成果の一部は,『日本英文学会』第79回全国大会シンポジウムにおける口頭発表(Linguistic Typology and Resultative Expressions)や学術論文(「ソシュールにおける絶対的多様性の概念」『日本エドワード・サピア協会研究年報』22,「系統論における意味の問題」『語彙の構造と文法』くろしお出版)などの形で公表した.
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Research Products
(6 results)