2006 Fiscal Year Annual Research Report
移住者と受入住民の多文化的統合を視座とした共通言語教育
Project/Area Number |
16320069
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
松岡 洋子 岩手大学, 国際交流センター, 助教授 (60344628)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 祐子 新潟大学, 国際センター, 助教授 (00313552)
土屋 千尋 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (00242389)
西山 教行 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教授 (30313498)
|
Keywords | 共通言語教育 / 多文化的統合 / コミュニケーション教育 / 社会統合 / 多文化コミュニティ / 言語能力評価法 / 国際情報交換 / ドイツ:フランス:韓国:日本 |
Research Abstract |
本研究では外国からの移住者と受入側国民の多文化統合政策の中で、特に双方の対話を促しコミュニティにおける課題を解決するためのコミュニケーション教育に関する施策について国内外のさまざまな地域の現状を把握し、共通する枠組みをさぐるための調査を継続した。平成16年度、17年度に引き続き日本国内およびドイツ、フランスでの調査を継続的に実施するとともに、平成17年度から韓国も調査対象として加え、継続的に聞き取り及び資料収集を行った。 今年度の研究実績としては、対象各地域における移住者のための移住言語教材およびカリキュラムと移住者の言語能力評価方法、人材養成に関する資料を得た。それらの資料を分析すると、受け入れ社会では社会統合のために移住者の受け入れ国の言語能力を重視し、言語教育の重要性が強調される傾向にあることが明らかになった。そのため、言語教育施策の整備が進み、移住者は移住先の言語の習得が不可欠な状態に置かれるようになった。しかし、現実には移住者の言語能力が短期間で飛躍的に向上することは難しく、言語教育の継続性とともに、必要な言語能力についての再検討が求められている。また、今年度の調査においては移住者のための第二言語教育実践者の養成について各国の事情を調査したが、移住者に対する言語教育理論が確立されておらず、研修実践者や研修プログラムの質的検証の必要性が明らかになった。さらに、受け入れ住民に対しては、移住者をコミュニティの一員として受け入れる必要性の啓発および具体的な多文化コミュニティ作りのガイドラインや研修が実施されるようになった地域が見られるようになってきたが、その内容、効果についての検証が課題となった。
|
Research Products
(9 results)